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｢すっっっごい……私、ゲームセンターなんて初めて来た……！｣
｢ええー、やっぱりお前の人生娯楽が欠落してるよ｣
だから別に娯楽はゲームだけじゃないってば。
｢石上、みて！大きなぬいぐるみ！可愛い！｣
｢うわきも、あんなの好きなの……？まあ甲斐さんが好きなら……取ってみようか？｣
｢本当！？出来るの！？｣
｢まあ、ここのクレーンゲームは他と比べて激甘設定だからな。裏技も使えば千円使わずに取れるんじゃないか？｣
すっごーい、石上の手の動きがプロだ……
｢ん……あとちょい……甲斐さん、あっちから見れる？｣
｢あ、うん！……えーっと、もうちょっと奥かな。そこ！あーちょい行き過ぎた、ミリミリ！！おけ、そこだよ！｣
｢……よし、取れたな。はい、甲斐さん｣
わあ……可愛い！
石上が取ってくれたぬいぐるみ、石上が私の為だけに頑張って取ったぬいぐるみ……！
これから毎日一緒に寝ようっと！
｢ありがとう石上っ！｣
｢……まあ、別に｣
｢石上、あれもやってみたい！よくユーチューブとかで観るの、ああいうの！｣
｢ああ、太鼓の〇人な。良いよ、やってみる？生憎今日は俺マイバチ持ってきてないんだよな……｣
｢備え付けのバチを使っちゃダメなの？｣
｢や、まあ……それでも良いんだけど、使い慣れてる方がやりやすいっていうか……｣
凄い石上、上級者だわ……
また知らない事が増えたわね、石上に教えて貰わなきゃ！
｢わ……わかんない……カッてなに……！？｣
｢ここの端の部分を叩くんだよ、ドンは真ん中な。連打は別にあんまりしなくて良いよ。ああ風船は割っておけ｣
……言葉で説明されてもよく分かんないわね……
｢石上がやって見せてよ、私は見て吸収する派よ｣
｢まあ良いけど……引くなよ｣
引かないわよ。
石上の名前の上にある紫薔薇の融合って何、厨二病っぽいんだけど！笑える〜。
……石上、ずっと右の方叩いて何して……えっ！？裏！？裏の難易度なんかあるの！？そんな、意地悪な！
｢……うわっ｣
何これ、流れてくるマークが見えないレベルなんだけど！
動体視力やばあ、リズム感も凄いわね……
インスタとかティックトックとかで友達がやってるの見た事あるけど、ここまでの人は居なかったわ……
｢ここまで来ると凄いと言うよりきもいわね……｣
｢引くなって言ったじゃあん！！！？｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2022年5月24日 21時
