209話 ページ22
私の名前は相原 怜。
秀知院学園に通う普通の高校生である。
この学園には、約二組のビッグカップルが存在する。
一組目、言わずと知れた四宮財閥令嬢……四宮かぐや。何をやらせても優秀、万能型のまさに天才。
そして、そのかぐや様が支えるお方こそこの学園の生徒会長・白銀御行様。
去年のテストでは不動の一位、全国模試で一位経験もある。
このカップルこそが王道であり、至高……そう考える人がうちの学園には多い。
けれど！！私は違うと思う！
先程言った通り、この学園にはもう一組……ある意味、かぐや様や白銀会長よりも有名なカップルが存在する。
そのカップルこそが、私が密かに中等部の頃から推してきた……
石上優×風王A……つまり、石風！
石上さんは中等部の頃暴力沙汰を起こし、停学に……その真相は、荻野くんの浮気を止めようとしていたらしい。
A様はそこまで見通し、石上さんに明るくお話を……なんて聡明なお方なのかしら……
中等部一年の秋、仲睦まじく笑い合うお二人を見てから私は……
学園でも有数のカプちゅ……んんッ、学園でも有数の熱狂的な石風ファンとなった。
｢ご覧になって！生徒会の皆様よ！｣
そんな声が聞こえて、思わず振り返る。
見るとそこには生徒会の皆様……勿論、石上さんとA様の姿も！
｢えへへ〜優くん格好良いね〜えへへ〜｣
｢歩く時位離れられないのかね、お前……｣
あぁ、そんな事を言っていても…
きっと石上さんのじっとりとした黒曜石のような瞳にはA様しか映っていないのでしょう……
そして、A様もきっと…その浅葱色の美しい猫目で石上さんにラブサインを送り続けてらっしゃるのでしょう……
｢｢やっぱり素敵だわ、お二方……尊い……｣｣
ぱちり、と目が合った。
それは、決して石上さんやA様、ましてや生徒会の皆様ですら無く……
｢……相原さん、でしたか。
……もしや、そういうご趣味が？｣
マスメディア部所属、確か……紀かれん先輩。
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｢で！やっぱりやっぱり、お二人の仲を勘づかれてらっしゃいますの……！？｣
勘づいてるも何も、堂々と宣言してらっしゃったけれど……
｢ええ、あの猫目と鋭い目つきのセットにはキュンキュンしてしまいます…！｣
｢話が合いますわね！｣
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作者名：白米 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/hp/13ec41960d1/
作成日時：2021年8月19日 17時
