末澤先輩。 (ページ5)

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5. 大晴side ページ5

大「なんや。仲良うなってますやん」

部室の端を見ると誠也くんと楽しそうに話しているA。

健「誠也くん面倒見ええからなあ。
妬く気持ちも分かるわ」

大「べ、別に妬いてへんし！」

良「え、大晴ってAちゃん好きなんや」

リ「青春やなあ。いつから好きなん？」

コジケンが変な事言うから正門くんもリチャくんも集まってきてしもたやん。

健「こいつ幼稚園から好きらしいっすよ」

良・リ「「ほお〜〜」」

また余計なこと言うた。
2人ともにやにやしてますやん。

【回想】

幼なじみ同士が恋に落ちるなんて少女漫画やったらようある話。

でも好きなのは俺だけで、Aは意識してくれたこともないんちゃうかな。

家が向かい合わせで俺とコジケンは同い年って事もあって、家同士も仲が良かった。

Aが産まれて晶哉も加わって、
幼なじみ4人ずっと一緒に居った。

Aを女の子として意識したんは幼稚園の頃。

コジケンがあんなキャラやからAはサバサバしとってその辺の女子より強かった。

4人で公園で遊んでた時、トイレ行く言うてなかなか帰って来んかったAを探した。

大「あ、おった」

A「たいせいくん…」

Aは遊具のちっちゃいトンネルの中に居た。
……泣きながら。

大「どうしたん！？」

A「つかれてしもたあ…
みんなをまもることが…」

Aは強いってこともあって、
泣き顔すら誰にも見せんかったんやろな。

同じ組の意地悪な男子から女の子を守ったり、
家でもコジケン以上にしっかりしてたり。

A「ごめんなあ、
いますぐなきやむからまってて…」

手で必死に涙を止めようとするAを抱きしめて言った。

大「ぼくのまえではつよがんないで」

A「え…」

大「Aちゃんはぼくがまもるよ」

その言葉通り Aの傍から離れた事はなかったし変な男が寄ってきても退治してた。

1個上の俺とコジケンは学校を先に卒業してしまうから晶哉に絶対守れよって言いまくってた。

付き合えたらなんて思った事もあったけど、この関係が崩れるん嫌やし高校まで引きづってしまった。

Aにとって俺ってなんなんやろ。