オーエル3 (ページ15)

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「でも、それって..」

和「辞めたところであの人の事嫌いになれる訳ないけどさ、諦めるための準備っつーの？にはなるかなって」

「..にのはそれでいいの?」

和「今だと思うんだよね、なんかわかんねぇけど今ならいける気がすんの」

「.....」

和「なんでだろうね、お前のおかげ？笑」

わたしはにのになんて言えばいいんだろう

きっとこの決断は私が思うよりもうんと重くて大事な決断で

そう決めたにのにわたしは、なんて言えば..

この人のことが好きなくせに、

にのの片想いがこのまま実らないと思うとどうしようもなく寂しい

どうにかしたい、って思う

でも今更わたしがどうこうできる問題ではないのも分かってる

だから...

「..伝えるべきだと思う」

自分がどうしたいのか分からなくて

にのにどうしてほしいかなんてもっと分からなくて

気持ちはぐちゃぐちゃ

でも、一つだけ自信を持って言えることがある

「気持ちを伝えられる相手がいるなら、私は言うべきだと思う」

和「...」

「栞さんのことを考えてにのが気持ちを抑えてるなら...今までのにのの気持ちはどうなっちゃうの？どこにいけばいいの？」

和「......」

「近くに好きな人がいるのに自分の想い隠したままなんて贅沢だよ...私が好きだった人は今どこにいるかも分からないのに..もう何も言えないんだよ？なんで連絡くれなかったのとか会いたかったとか、言いたいことたくさんあるのに..」

何にも言えない、というのは

栞さんのように愛する人を亡くした時にしか言っちゃいけないのかもしれないけど

私だって彼に言いたいことがある、

たくさんある

でももうきっと言えないままなんだろうな、って

一生会えないんだろうな、って分かってるから

その苦しさがわかるから、
それはきっと栞さんも同じで

だからこそ、

“やらない後悔” をにのにはしてほしくない

それが今の私の、想い