壊れるくらい、抱きしめて

Tear 9 ページ9

『かず、ま…ここ、廊下…だから！』





壱「何で隠すん？俺ってそんなに頼りないん？Aの1番の幼なじみやろ？」





『うん、話すから…離れて？』





壱「…………おん、ごめんな。」









そう言いながら、私から離れる壱馬。





急に抱きしめてくるんだもん、驚いた。





普通の幼なじみって、こういう事するのかな？





…ちょっとだけ、ドキドキしてしまった。









『ここじゃ話しづらいから…とりあえず、部室行こう？』





壱「りょ〜かい。」









部室に着くと、中には北人だけがいた。









北「…………………」





『っ……』









まただ、また…あの目をしている。





絶望の色で染まっている目。





北人は…一体、何を思っているの？









壱「よっ、北人。」





北「やっほ〜…2人、仲良いんだね？笑」





『……っ、』





壱「幼なじみやもんな、そりゃそうやろ。」





北「幼なじみかぁ…勿体ない。笑」





壱「何でや？」





北「いや、そんなに仲良いんだったらさっさと付き合えばいいのになぁって。笑」





壱「お前…それ、本気で言ってんの？」









壱馬…それ以上は、ダメだから。





そう言いたいのに…言えない。





言わないと、そう思っても…身体が震えて、怖くなって喋れない。









弱い自分は、あの時サヨナラしたはずなのに。

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