壊れるくらい、抱きしめて

Tear 46 ページ46

壱「A…」





『……？』









壱馬がそう呟いた。





でも、その後に寝息を立てたから…寝言かな？笑





私の夢見てるとか…？笑









壱「…………好き、」





『…っ！？』









…好きって言った？





いやいや、私の事好きとか有り得ないよね。笑





慎くんの夢でも見てるんだ、うん。←









壱「…ん、」





ｸﾞｲｯ





『……ひゃっ！』









壱馬に腕を引っ張られて、いつの間にかベッドに引き込まれていた。





目の前に壱馬の整った顔があった。









『……か、ずま？』





壱「…何で来るん遅かったん？」





『……いや、ちょっと…ね？』





壱「…遅すぎ。ずっと待っとった。」





『そ、それは分かったから…離して？』





壱「……やだ。」





『…お願い、はなしっ…！』





壱「……離さんよ。」









そう言いながら、私を強く抱きしめてくる壱馬。









『…待って、今自分が何してるか分かってる？』





壱「Aを抱きしめとる。」





『…っ、』









直球で言ってきたから、自分で聞いたのに自分で照れてしまった。





マズイ、慎くんが来たら勘違いされるよ。





…どうしよう。









壱「…今離したら、Aは俺の前から消えるんやろ？」





『消えないよ、大丈夫…だから、』





壱「………北人の所に行くんやろ？」





『……行かないよ、だから…離して？』





壱「嫌や、絶対…離さ…ん、」









この体勢で寝てしまった壱馬。





…え、離してくれないの？





離れようにも離れられなくなっていた。









壱馬が、私を力強く抱きしめていたから。

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