壊れるくらい、抱きしめて

Tear 43 ページ43

慎「A先輩、起きて下さい！」





『……んっ、』





慎「もう少しで7時来ますよ！」





『………えっ、7時！？』





慎「おわっ！ビックリした〜…じゃなくて、早く帰らないとA先輩の親が心配しますよ？」





『それは慎くんの方でしょ！…というより、私の家、今親居ないから大丈夫！笑』





慎「俺、一人暮らしなんで大丈夫です。」





『えっ！そうなの！？』





慎「はい、驚いてる暇あったら帰りましょう？」





『そうだよね、ごめんっ！』









なんて言いながら起き上がる。





…え、起き上がる？





私…慎くんの膝の上で寝てたの！？





やけに慎くんとの距離が近いと思ってたら、そういう事だったんだ。





…恥ずかしい。









慎「ボーッとしてないで、早く帰りますよ？」





『あ、えと…ごめん！』





慎「…ふふっ、何焦ってるんですか？笑」





『焦ってないよ、うん…大丈夫！』





慎「ふふ、焦ってる顔してますよ。笑」









そう言いながら可愛く笑う慎くん。





いやいや、可愛すぎだよ。





女子の私が負けるぐらい可愛い。←









『……あ、慎くん。私の家泊まりなよ。』





慎「…え、今なんて…？」





『私の家泊まっていいよ、親居ないし。電車で帰ってたら家に着くの遅くなるでしょ？』





慎「流石にそれは、失礼なんで…」





『私がずっと寝てたからこんなに遅くなっちゃったの。だから、泊まってよ。私からのお願い！』





慎「……なら、お願いします。」





『ふふっ、そうと決まれば帰らなきゃね！』









私は、この時だけは…北人と壱馬の事を忘れる事ができていた。

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