壊れるくらい、抱きしめて

Tear 39 ページ39

慎「やっぱり…北人先輩の事、好きなんですよね？」





『……いや、そういう事じゃないんだけど。』





慎「じゃあ、どういう事ですか？」





『……どうって…、』





慎「A先輩見てたら分かります。会ってまだ少ししか経ってないですけど…いつも北人先輩を目で追っていますよ。」





『…嘘だ、私は別に北人なんてっ…』





慎「……好きなら、好きって認めた方がいいんですよ。その方が楽になれます。」









好きなら…好きって認める？





よく分からないこの気持ち…





私って、北人の事好きなのかな。









分からない…いや、分かるかもしれない。





だって、まだ…北人の事を頭の中で考えているんだから。





嫌いなら、嫌い…好きなら、好き。









私、きっとまだ…北人が好きなんだ。





冷たい態度を取られて傷付くのは、好きだから。





悪口を言われて傷付くのは、好きだから。









…何だ、私って北人の事ずっと想ってるじゃん。





中学2年生の時からずっとずっと…好きなんだ。









『慎くん…ありがとう。』





慎「いえいえ。……話してくれますか？」





『………うん。』









慎くんなら、私が思っている事全部言っても…





受け入れてくれるかな。





全部、全部…話しても嫌われないかな。





慎くんは、私の話をちゃんと聞こうとしてくれているんだ。





私だって…それに応えないと。

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