壊れるくらい、抱きしめて

Tear 28 ページ28

ﾄﾞﾝｯｯ





『っ…壱馬、ごめん！』





壱「俺は大丈夫やけど…A、ほんまに大丈夫なんか？」





『大丈夫、大丈夫！』









北人に言われた言葉が頭の中でループして、ダンスに集中できていなかった。





…だから、移動中に隣にいた壱馬と衝突してしまった。





あぁ、何で…。





何もかも上手くいかない自分が情けなくなって、涙が溢れそうになる。





北人に、また何か言われるかなと思うと…





何故か怯えてしまう。









…何とかその後の練習も乗り越えられた。









夏「…A、保健室行く？」





『何で？私何処も怪我してないよ？』





夏「顔色悪いからさ…風邪でも引いた？」





『え、顔色悪い？…風邪は引いてないと思うんだけどなぁ。』





壱「俺が保健室連れて行くで？」





『だから、大丈夫だって！笑』





壱「ほんまに？何かさっきからA見てたら作り笑いしとる気がするんやけど。」





『…ちょっと疲れただけだよ。ほら、もう教室着いたから…また後でね！』









二人の返事もちゃんと聞かないで、私は急いで教室に入った。









『…ふぅ、』









教室には、まだ誰も居なかった。





だから、寝ようと思ってたんだけど…









ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｯ





北「………………」









タイミングが悪く、北人が入ってきた。





…怖い、壱馬と夏恋の所行こうかな。





でも、逃げたらまた何か言われちゃうのかな。









そう思っていたら、自分の席に座ったまま動けなくなってしまった。

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