男の娘審神者の受難。【其ノ二】 (ページ21)

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第42話ページ21

「昨日、山姥切とちょっと話したんだ。色々迷惑かけちゃったから、そのお礼も言いたくてね」

「……やっぱり、そうなんだ」

「それは一体どういう……？」

そのやっぱり、というのは一体どういう意味でのやっぱり、なのだろうか。
乱は依然目を伏せてしまっていて、未だに少し警戒をしているように見えるが、別に僕に敵意を向けている訳では無い。
なので、僕が山姥切を傷付けたと勘違いしている線は薄いと考えていいだろう。

「切国さん、前と比べて何かすっきりした顔してたから」

「あぁ、なるほどね。なら良かった。……ん？」

山姥切が何か吹っ切れたならそれで良かったと安堵したのも束の間、今度は乱の発言に疑問を覚える。
まさか、先程の"やっぱり"というのは、山姥切が僕と話していた、というのを仮定していたから。ということになるのだろうか。

敵意を向けられた時点で予想出来ないことではなかったが、今まで見てきた人間とは違うと認識されている、もしくは、自分たちにとって悪い存在だと思われていない、と思っていい……のか？

が、いくら考察しても相手の心情がわかる訳では無いので、何か言いたげな乱の言葉を待つことにする。

「……ねぇ、」

「うん」

「僕は、あなたを信じてもいい、のかな」

少し間を置いた後の乱の言葉を聞いて、僕は少し考える。
山姥切と同じで、乱もまた悩んでいるようだった。
折れていった仲間への負い目、人間への憎悪や恐怖。僕にはそのすべてを把握する術は無いけれど、少しでもそれを取り除けるなら、彼らが望むなら、それを取り除きたいとは思う。

「いいか悪いかはさておいて、信じてくれたならそれは嬉しいよ。けど、信じていいのか悪いのか決めるのは僕じゃない」

「そっか。……そう、だよね」

「乱は、どうしたいと思ってる？」

「僕、は、」

それだけ言うと、乱はスカートの裾をぎゅっと掴んで、視線をしたに向けながら、言い淀んでいた。まだ、その決意がしきれてないのだろうか。

それからたっぷり数十秒程時間を取り、乱は口を開く。

「あなたに、光藤Aという人に、付いていきたい」

その言葉と共に、やっと僕と目を合わせてくれた乱の目は、決意と不安が満ちているように見えた。

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花丸ミュージカルの再来に動揺を隠せない(真顔)
でも私の初期刀が可愛いのでここ数日ループから抜け出せません誰か助けて