男の娘審神者の受難。【其ノ二】 (ページ17)

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第39話ページ17

山姥切と髭切によれば、僕が倒れた後、まだ意識のあった仁瀬を髭切が抑えていた所に、様子を伺っていた山姥切、膝丸、乱が合流。
そこに、役人が二人来たらしい。

「え、2人？1人じゃないの？」

「うん。けど、二人とも僕が斬った奴みたいな嫌な感じはしなかったよ。その時に弟と、……ええと」

「膝丸と乱」

「そうそう、膝丸と乱くんがその二人に刀向けたから、そっちを宥める方が大変だったかなぁ」

相変わらず名前を覚えない髭切に、山姥切が名前をぼそりと教える。彼の言葉を聞くに、あの時後から様子を伺っていたのは、山姥切、膝丸、乱の3人で確定していいだろう。
……それにしても、1人は役人さん、もとい佐伯さんだと確定していいだろうが、もう1人は一体誰なんだろうか。

「それで、その二人があいつの身柄を引き取ったんだ。また詳しい事を聞きたいから、落ち着いた頃にでもまた連絡してほしいってさ。今日はもう遅いし、明日でもいいと思うよ」

「そっか。色々ありがとね」

「どういたしまして。……じゃ、僕はそろそろ失礼するよ」

そう言って髭切は立ち上がり、ひらひらと手を振りながら、一瞬僕に目配せをすると部屋を出ていった。

部屋に残っているのは、僕と山姥切の2人。髭切が立ち去った室内には、なんとも言えない気まずい空気が流れていた。
髭切が僕に目配せをした意味。多分、ちゃんと話してあげてってことなんだと思う。
とはいえ、一体どう切り出せばいいのやら。山姥切も同じように思っているのか、ずっと無言のままだ。

「……光藤」

気まずい空気が続くこと数分。先に声を発したのは山姥切だった。

「うん、何？」

「あんたは、何で俺を恐れたりしない？」

山姥切のその問に、僕は少し考える。
正直、初めて彼と対峙をし、刀を向けられた時、彼に殺意がないのは恐怖が全くないわけではなかった。

「そう、だなぁ……。そりゃまあ、最初は全くそうなわけでもなかったけど」

「……そうなのか？」

意外そうに答えてくる山姥切に、「うん」と軽く相槌を返して、言葉を続ける。

「けどね、それだけの事を人間がして来たってことでしょ？……正直、前任の所業は今思い出しても腹立つし。僕が仮にその状況下に居たら、同じようなことになってた自信あるし」

「調べたのか……？ここのこと」

「ご丁寧に書類や写真が残ってたから。もう燃やしたけど」

そう言って笑って見せると、目をそらされてしまった。

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花丸2期尊いやばい(語彙力)