TN 『私のモノにはならない君』 ページ1
カーテンの隙間から覗く陽の光で目を覚ます。1番に目に入ったのは、彼の胸に綺麗に刻まれた大きな月といくつか刺さったナイフのタトゥー
昨夜、お互い生まれたままの姿で抱き合って眠りに着いたことを思い出す
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「……綺麗な寝顔」
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先がツンと尖ったアップノーズをなぞり、昨夜私の隅から隅まで愛してくれた唇に触れる
すると、それに彼は気がついたのか、んん…っと不機嫌な声を出した後、瞼がゆっくり開き綺麗な瞳を私に向ける
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TN「……ふふっ、ほんっとテンの顔好きだね〜」
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【好き】
そう出てきかけていた言葉を慌てて飲み込む
私だけ、その言葉を彼の為に使いたくない。私にだってそれなりのプライドがある
そうやって何も答えない私に、彼はまだ眠そうにしながらも口角を上げて私の額にキスする
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TN「おはよ、A」
「うん、おはよ、テン」
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普段人の名前を覚えない彼が、私の名前は覚えてる
基本女は使い捨ての考えの彼が、私のことは何度も抱く
彼本人の口からそんな事を聞いた事は無いが、彼程沢山の人から噂をされている人はいないだろう。耳が痛くなるほどいくつもの噂を聞いたんだから
だからこそ、今のこの状況が彼にとって私が少しだけ周りより特別な存在なんじゃないかと浮かつかせるのだ
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TN「ふぁ〜、今日仕事ないの？」
「うん。だって今日日曜だよ」
TN「そっか〜、じゃこのままテンはAと居られるわけだぁ〜」
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私が彼を嫌いな所。
私を好きでもない癖に、こういう時だけ好きなフリをしてくる所。こう言う事で私が離れられないのを知ってるから、まるで本当に愛しているかのように優しい声を出して優しく抱きしめる
私も、それが全て偽りのテンだと知りながらもテンにまたハマっていく。だってほら、身体は素直。私の中が潤っていくのが分かる
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「ねぇ、テン」
TN「ん？」
「もしも、このまま世界が消えちゃったらどうする？」
TN「なに〜急に。笑」
「んー、急に頭に浮かんだから」
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.
"え〜、テンどうしよっかな〜笑" なんて、質問にそぐわない程、ふわふわした雰囲気で楽しそうに考えるテン
私は、このテンにしかない独特の空気感が好きだ。だから、テンの胸でこうやって抱かれている今、このまま世界が消えちゃっても私は何にも後悔無く生涯を終えられるだろう
もし死ぬなら、こうやって彼の腕に抱かれて死にたい
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jfpzGmohs5(プロフ) - これっめもしかしてHey!Say!JUMPの歌だったりしますか！？！？ (11月13日 23時) (
レス) id: 5451b6343b (このIDを非表示/違反報告)
みんみん(プロフ) - どのお話もとっても素敵です…楽しく読ませていただきましたありがとうございました (2023年3月8日 5時) (レス) id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
由利(プロフ) - なんかマークの話エモくて（？）泣きました（ (2022年8月12日 23時) (レス) id: 236b7ecb2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなこ
| 作成日時：2022年1月14日 15時
