思い出 ページ9
ああ、また君か、イフリートくん。
どうやら抱っこしてくれてたのはイフリートくんのようだ。
会場がシーンと静まる。
「姫、もう大丈夫、僕が助けにきたよ、」
どうやら王子役を彼がやっているようだ、君王の側近だよね?
ピアノの伴奏が静かに響く。
「無事でよかった、さぁ僕と城に戻り結婚式をあげよう。」
『はい、ありがとう王子。』
とりあえず合わせといた、咄嗟にこういうことができる私に感謝しろよ、
彼は羽を羽ばたかせながらゆっくり地面に私を下ろした。
するとひざまづき、私の手にキスをした。
『!!??』
こいつ頭まで王子気分になってないか?
トランペットやピアノといった色んな楽器が盛り上がりをみせる。
観客は感動しているっぽい。
ゆっくり幕が下がっていく、とりあえず成功?と思う。
安堵でその場に座り込んだ。
『さて、どういうことか説明してもらおうか、イフリートくん?』
「ごめん、まぁあれだよ、サプライズ。」
駄目だ話にならない。するとリーダーが言った。
「いやーイフリートくんが直前に言ってね、確かにいい案だなと思って。」
『なんでイフリートくんなの?ツムルくんは?』
「俺はエイトがやりたそうだから任せた。」
『これ私が失敗したら完全に終わってたけど、』
「Aさんのこと信じてたから、」
笑顔でそう言ったイフリートくん。
まぁ楽しかったしもうなんでもいいや、
「ほら、結果発表だから行くよ!」
はい、ただいま私はイフリートくんと二人きりです、はい。
結果から言うとなんと私、ランクが上がりました。
お偉いさん方の心に刺さったらしく高得点をもらえました。
その後本当ならクラスみんなで打ち上げだけど、
イフリートくんが二人きりになるからと断った。
主役がいない打ち上げとか大丈夫か?
『イフリートくん、そんな暑い眼差し向けないでよ、』
「ごめんごめん。」
絶対思ってないだろ、
するといきなり真顔になりこちらを見る。
「Aさん、可愛かったよ。」
『あーありがとう。』
多分今私の顔は少し赤いだろうな、
「それから今度から下の名前で呼んでほしい。」
イフリートって長いからな、
『エイトくん。』
「くんは無しがいい。」
いちゃもん言うな。
これ以降私とエイトくんはとても仲良くなった。
まぁそれはまた別の話で、
学校編終わり。
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作者名:天音 | 作成日時:2023年8月25日 22時