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僕のヒロイン ページ8

放課後無事校舎裏についた。


「ごめん、待ったよね、」

『いや、そんなに待ってないから大丈夫だよ、』


少し沈黙ができる、呼んだの君だろ、


『えーと、イフリートくんの役って確か悪役の側近だよね?』

「うん、そうだよ、」


「それでAさん、劇中僕のこと見ててね、」


それだけ言うと行ってしまった。
 
 あいつまた私の貴重な時間奪いやがって。

それだけなら呼ぶなよ、意味わかんないし。




ひたすら頑張った、自分にしてはよくやった方だ。

もう本番だ、朝気合いを入れて学校に行く。


クラスからは緊張の雰囲気が流れている。

会場には続々と観客が入っていく。

こんな沢山の人に見られながらやる。


どのクラスも完成度が高く少し不安になる。


自分のクラスの番になり、会場に入る。

幕が上がり、スポットライトに照らされる。





どこかの国に王子と姫がいた、王子は姫が何よりも大事で婚約も決定したのだ、

だが、美しい彼女の噂を聞きつけたある国の王様が自分の妃にしようとした。

 
もちろん彼女と王子はそれを拒んだ、

しかし王は彼女の家族を人質に取った、心優しい彼女はその身を王に捧げた。

王子とは婚約破棄したのだ。


『どうか、私の身一つで許してもらえますか、』


王にひざまづき、そう言った。


会場からは緊張が走る、いいぞ、観客たちも物語にのめり込んでる。


この物語のピークがもう少しでくる。

失敗は許されない。


王と婚約した彼女。

彼女の心には王子を裏切った後悔や罪悪感だけが残る。

その日の晩、彼女は王を城のバルコニーに呼んだ。


彼女は王の手をそっと握ると何もない空中に自分もろとも落ちる。

そう心中だ、彼女は王の手を絶対に離さない。


10mある所から落ちる、練習中もなかなかに怖かった。

下にはクッションがあるから大丈夫だ。


浮遊感が何か心地いい。

 
するといきなり空中で誰かに姫抱っこされた。

王は一人で落ちていってしまった。


おいおい、こんなの台本に無いぞ、と思い相手の顔を見る。

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作者名:天音 | 作成日時:2023年8月25日 22時

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