塗くんの助手。 (ページ10)

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カランカラン_____

「いらっしゃいませ。」

今日もいい天気で気分もいい。

昨日はお店にいらした方の接客と次々こなし、
塗くんの助手としての仕事はなかった。

-「あれ、新入りの子？」

「はい、そうですけど…」

背が高くてなんだか…弱そうな人。

法「おや、厄介くん。

あ、紹介するね。
ここのお得意様の隠館厄介くん。」

「ほお…はじめまして。

昨日からここで働かせてもらってます。
天羽Aです。よろしくお願いします。」

厄「天羽…めずらしい苗字だなぁ。」

「隠館さんもめずらしいですよ、笑」

厄「僕のことは厄介でいいよ。

それに、苗字以上に名前のほうがめずらしいけどね…」

そんなことを言って
ふらふらと椅子に座った厄介さん。

この人大丈夫かな。

まあ気にしないで掃除をはじめよう。

塗くんもモップがけ始めたみたいだし。

昨日のように、棚の上などを黙々と掃除していた。

ふとカウンターを見ると、
いつのまにか移動した厄介さんと

いつのまにかお店にいた今日子さん。

そしてもう一人、男の人がいた。

んー？何やってるんだろう…

まあよくわからないけど仕事しよう。

しばらく経って、静かになったなぁと思いながら

掃除用具を片付けていると

法「Aちゃん、さっきの人たちの話聞いてた？」

と、法郎さんに声をかけられた。

「いえ、何も…？」

法「まあ塗くんの助手だしまだ新入りだし…
深く知らなくてもいっか。

今日は今日子さんが依頼を受けたから
塗くんに仕事が入ったらAちゃんも行ってね。」

「？…わかりました。」

ま「Aちゃんの初潜入捜査、みてみたいな～」

法「まだ潜入と決まったわけではないけどね。

まあAちゃんをよろしく頼むよ、塗くん。」

いつのまにか横にいた塗くんは無言で頷いた。

本当、無口で掴めない人だなぁ…

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