塗くんの助手。 (ページ20)

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ま「それで………こんなことがあって～」

「まくるちゃん！もういいってば～！」

法「そっかぁ、朝から災難だったねAちゃん。」

あの後、開店前にやっと法郎さんが来て
お店を開けた。

まだ午前中だからか、客足も少なく暇していたところ

まくるちゃんがさっきのハプニングを
法郎さんに話し始めた。

それも何回も…

ま「塗の後ろに隠れるAちゃん、
怯えた子猫みたいで本当にかわいかったんですよ！」

法「ちょっと見てみたかったかもなぁ。」

「も、法郎さんまで…

塗くんどうにかして！泣」

塗「まあいいんじゃない。」

塗くんまで…

すると、話し終えたらしく、法郎さんが

法「今日はいつもよりお客さん少ないし
Aちゃん、出かけてきたらどうかな？」

「え？でも…」

法「いつも頑張ってくれてるから今日くらいいいよ。

何かあった時のために、塗くん付き添って行ってね。」

「「え？」」

まさかの法郎さんの言葉に重なる声。

もちろんそれは私と塗くんの声。

法「じゃ、Aちゃんを
よろしく頼んだよ。塗くん。

いってらっしゃい。」

半ば強引に出された私達。

横を見ると、不思議そうな顔をした塗くんが
こちらを見ていた。

塗「どうする？」

「ど、どうしよう…」

塗「どうせ戻ってもまた
追い出されるだろうし、どっか行くか。」

「そうだね！」

平然を装って会話をしているけど、
内心どきどき。

塗くんと2人で出かけるなんて
心臓もつかわかんないよ…？

でもせっかく法郎さんがああ言ってくれたんだし

楽しまなきゃ。

どきどきしている心を落ち着かせ、
先に歩き出していた塗くんに駆け寄った。

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