【SLAM DUNK】カフネ前編 (ページ7)

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6.退院前にページ7

A

俺が守るって言ったのに

実際は俺自身の不甲斐なさや、外から受けるジレンマやイライラいう暴風から

いつも守ってくれたな

ありがとうな

Aが退院する日の朝。

やっぱりもう一度会いたくなって。

俺は朝食をかけ込み、Aの病室に向かった。

6人部屋。

食事中。

入りずれー。

待ってると、食事の配膳を左手で抱えてAが出て来た。

「A。おはよ。」

『三井さん。』

配膳、片してやりたいけど、この足じゃな。

Aが配膳を片して、俺のとこに戻ってきた。

子犬みたいなやつ。

「俺の部屋で少しだけ話せないか？」

Aが笑顔になる。

『ありがとうございます。』

病室に戻り、俺はベット、Aは丸椅子に腰かける。

『ケガすると、ケガした部分が、機能していた有り難みを感じますよね。』

「確かにな。」
「あのさ、Aの退院祝い決めてなかったじゃんか。決めとかね？何がいい？」

すこし考えてAが話す。

『三井さん、海好きですか？』

「海？」

『嫌いでなければ、一緒に海に行きたいです。』
『海沿いを散歩したいです。
　海とか水面がキラキラしているのを見るのが大好きで。』

『…迷惑ですか？』

「オッケー。」
「よし。決まりだな。」

Aがびっくりしながら、喜ぶ。

こんな些細なことで

こんなんで喜ぶなら

いくらでもしてやりたいくなる。

『三井さんの退院祝いとリバビリ祝いは？』
『何がいいですか？』

「一緒にバスケしようぜ。」
「俺たちもうバスケ仲間だろ？」

『楽しそう。』
『楽しみです。ありがとうございます。』

楽しみなのは俺も。

嬉しいもんだな。

入院して落とし穴に落ちたみたいに、落ち込んでたけど。
三井さんと話してると、一生懸命に話してくれるからかな？

胸がギュンとして、シャンとなれたの。
また頑張ろうって、シャンとなれたの。

三井さんのケガが後遺症なくキレイに治りますように。
心の中で心から願う。

三井さんとグータッチをして、病室を出る。

約束をして、俺はすっかり満たされた気分だった。

俺はこの時、Aの連絡先を聞かなかったことを後々に後悔するんだ。