【SLAM DUNK】カフネ前編 (ページ35)

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33.付き合った記念にページ35

あの日バスケ選手をやめたい

そう言ってからもAとのバスケ時間は

Aはいつも笑っていて

俺はバスケで目立ちたいって意識が前に出がちだが

Aがバスケを嫌いにならないなら

こういうあり方もありかもしれないと思った

「あ？バスケ辞めんじゃなかったのか？」

休日練習帰りの夕方Aを送るために歩いていた。
　

『私、選手でいるのやめたい、って言ったんだよ？』

聞けば、Aはバスケ部のマネージャーになったそうだ。

高校に入って、責任や周りの凄さから、試合前の嘔吐や体調不良が激しくなったらしい。
マネージャーにも責任はある。
チームが大好きだから。
最後までいたい。
選手以外の方法でいる方法を探したらしい。

『私、バスケ大好きだし、チームの皆んなも大好きだよ。』
『ただ、選手でいるのが辛くなっちゃったの…弱虫だから…。』

そう言って下を向くAの頭に手を乗せて、頭を撫でてやる。

そうやると、いつもみたいに笑い出す。

「でもよ。
　お前スタメンじゃねえの？
　どうすんだ？
　冬の選抜とか。これから。」

『何も心配いらないよ。
　私なんて、そんなに大したことない。
　私よりも上手くなる子たちが
　いっぱいいるから。』

そうかよ。

お前はそういうやつだよな。

「いいんじゃねえか。」
「そういうのも。」

『ありがとう。』
『私の選択したこと否定しないでくれてありがとう。』
『選手でいても、やめてもどっちも批判はくるから。』

『寿くんが否定しないでくれて嬉しい。』
『私も、寿くんのやりたいこと
　精一杯守りながら、応援していたい。いいかな…？』

「おう。任せた。」

Aが俺の空いてる方の手を繋いできた。

『離さないでもいい？』

「好きにしろい。」

『ありがとう。』

俺こそありがとよ。

こんな俺と付き合ってくれてよ。

大事にする。

絶対ずっと大事にする。

こんなこと恥ずかしくて言えねえけどな。

「そういえば付き合った記念に何かするか？」

『おそろいのものが欲しい。バッシュとかは？』
『でも…バッシュは癖でるもんね。
　それに半年くらいで痛むからな…。』

「なら、バッシュが合わなかったら靴紐を一緒にしねえか？」
「早く探しに行こうな。」

『大好き。ありがとう。』

「お、おう。」

どんどん好きになるよ。

大好きだよ。