【SLAM DUNK】カフネ前編 (ページ33)

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31.一緒にいたいページ33

好きって気持ちを心の保管庫に閉まっていた

けど三井さんは

ずっと私の心に入りっぱなしだったの

　
　

体中で汗をかくばかりで、動揺してるのが分かった。

Aが来るか不安だった。

　

頬に冷たい飲み物が当てられる。
　
ポカリ。

Aだ。

「おせーよ。」
「俺は待つのが嫌いなんだよ。」

『すみません。暑かったですよね。』

ベンチがあったから2人で腰掛けた。

「ったくよ。昨日の。」
「もっとキレイで性格のいい方と幸せになれ。だと？」

『そのままの意味です。』

「あ？納得いかね。納得いくように説明しろい。」
「俺は諦めが悪いんだよ。前、言っただろ。」

暫く、だんまりをした後に。

　

右腕のサポーターの下、手術の跡を見せてくれた。

『体質で三井さんの手術跡みたいにはなれないんです。』
『みみず腫れみたいで…。』

『小さい子や、大人でも不快に思う方はいます。』
『いつも隠しています。』
『ダイレクトに傷に当たると痛いから、って言うのも理由なんですけど。』

『思いっきりオシャレもできないですし。もっとキレイで性格のいい方と幸せになってください。』

立ち去ろうとするAの右腕を掴んで、俺は手術の跡に触れるだけのキスをした。

『何考えてるんですか？』

「腕つらなかったな。なんもしてやれなくてわるかった。」

俺があの時間を過ごしてる間。

　

「A、目を閉じてみろ。」
「俺が本気だって分かるからよ。」

『わかんない…。』

小さい頭で
首を振って
華奢な体で
否定する。

だから、頭を抱え込んだ。

「閉じてみろよ。」

目を閉じたら、キスされた、って分かった。

「俺はAと一緒にいるためなら。
　Aが、幸せになるんだったら。
　俺なりにできることをしてやる。
　だから、俺だけ見とけ。
　バスケも。男も。
　俺だけ見とけよ。」

私にこんな日がくるなんて想像できなかったのに。

三井さんに私の欲しい未来が詰まってる。

『私、三井さんと一緒にいたい…です。』

「そうしとけ。」

「精一杯守るから。Aは精一杯、俺といろ。」

『三井さんの彼女になれるってことですか？」

「最初から言ってんだろ。」

笑う三井さん。

頭を支えてくれて
髪の毛を撫でてくれて
もう一度

優しいキス。

その日は手を繋いで散歩して帰った。