【SLAM DUNK】カフネ前編 (ページ4)

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3.出会い③ ページ4

約束通り、Aは俺の頼んだポカリと、自分の紅茶を持って、戻ってきた。

『どうぞ。』

「サンキュ。」
「金払う。」

『いえ。
　私からのお見舞いです。』

　

お見舞い…。

「自分も入院してるじゃねえか。」

俺とAは目を合わせて笑い出した。

ひさしぶりに、ゲラゲラ笑った気がする。
　

誰かと笑い合うのも

やっぱりいいもんだな。

「じゃ、俺がお前の退院祝いと、リバビリ頑張ったら、その時に何かやるよ。」
「ところで、名前は？何年生？」
「俺は、三井寿。湘北高校1年。バスケ部期待の新人。」

『あ。』
『立石中の。去年、MVP取られてましたよね。』
『A Aです。富ヶ丘中の3年です。』

「お、俺の事知ってる？」
「一個下か。」
「奈々もバスケやんの？」

『はい。バスケ部なんです。』
『去年の三井さんの試合見てました。凄かったです。』
『兄もバスケしていて、たまに相手をしてくれます。』

「見てたのか。サンキュ。」
「へえ。バスケで、その腕ケガしたのか？」

『いえ。』

Aの目が泳ぐ。

面白いやつ。

　
『考え事しながら、体育の後片付けしていたら。
　肘から転んで…これです。』

「随分、悲惨に転んだな。」

『そんなに運動音痴じゃないですよ。』
『私、これでもスタメンで。』

「説得力ねー。」

『確かに。今の私が言っても、そうですよね、』

2人で目を合わせて笑った。

やっぱりAの笑い方、好きだな。

その後は俺の話ばかりだった。

Aは俺の話を柔らかい表情で、飽きる素振りもなく聞いていて。

とても居心地が良かった。