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出会い-S ページ1

あの日私があの人にしたことは後悔していない

でもあの日私があの人に言った言葉は______________

『くそあの女会議の後にまさかの徹夜コースかよ…』

人が溢れる朝の駅で昨日の夜のことを思い出す。

『次はないな、名前忘れたし。』

会議の後に街を歩いていたところに言い寄ってきた女をさっきまで抱いていたが、眠れなかったことに苛つく。

階段を降りようと足を出し、昨日の疲れからか目眩を感じ

『くそ…』

目眩をすることにさえも苛ついてしまう。

自分の後ろを横切ろうとしたおじさんが、肩に思い切りぶつかる。

朝の駅だ。通勤ラッシュな訳でそんなこと多くあるのによりによって今は階段の1番上。

フラフラしていた俺は反応することができず

『死なない程度に…』なんて考えていた。

__________________グイっ

後ろからものすごい勢いで引っ張られ、ゴホゴホとむせる。

自分が着ているコートの襟元を後ろから引っ張られたようだ。

「ご、ごめんなさい！」

声がして見上げると、高校生の女の子が

「大丈夫ですか？」と心配そうに声をかけてくれた。

突然のことで、「…あー…平気」と答える。

「ごっごめんなさい。とっさに引張ちゃって… 怪我ありませんか？」

その子の右手には傘を持っていて、傘の柄の先でひっかけたんだろう。

「いや大丈夫大丈夫」

首はしまったけど…と咳をしながら

「ありがとね下手すれば死ぬとこだった」

「いえ…ぎゃくにすみません…、顔色悪いけど大丈夫ですか？」

「あー…ちょっと体調よくなくて」

まあ…嘘ではないだろ。

「貧血ですか？朝ごはんとか食べてきました？」

「え？いや食べてないけど」

なんだ？と思いつつその子を見ていると、何か食べるものあったかな…と自分の鞄をゴソゴソしている。

…なんだか忙しい子だな。

「って…うわっ！遅刻する！」

これどうぞ！と何かを渡され、「お大事に！」と走っていく。

手元を見ると…

「…え？弁当？」

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お昼休み。デスクの上にもらった弁当を置いてため息をつく。

…食べるのもなんだか。

弁当をゴミ箱へ捨てようと手に取ってから、

『妹と同じ制服だったな』と思い出して蓋を開けた。