☆二十 ページ20
☆
景「あ！戻って来た！！」
祥「汐恩も一緒や」
「ごめんなさい、お待たせしました！！」
奨「全然、見つかった？」
「はい！おかげさまで」
蓮「ほら、景瑚謝りな」
二人でみんなの元に戻ると、何やら景瑚くんが申し訳なさそうに近づいてくる。
景「ごめん、Aのスマホ隠したの忘れててさっき思い出した…まじでごめん！」
「え、そうだったんですか！？」
なんてこと。通りであんな場所にあったわけだ…
汐「景瑚くん、まじでめっちゃ探したんすよ…」
翔「汐恩も一緒に探してたの？」
「うん。手伝ってくれたの」
純「汐恩！優しいやん！」
汐「いや別に、早く帰りたかったんで」
景瑚くんも遊び心でやったわけだし、結局見たかったから全然気にしてない。
逆にみんなを待たせた方が申し訳ない…
奨「じゃ、かえろっか」
二つの車に分かれて家まで帰る。
先に私の家に車を止めてくれたので、私はそこでみんなとは解散。
「今日は本当にありがとうございました」
瑠「こちらこそ、また見に来てね」
「はい！」
祥「あ、ちょっと時間もらっていいすか？すぐ終わるんで」
拓「おっけー待ってる」
「？」
なにやら祥生も車を降りて来た。
……そういえば、練習の時に言ってたあれ、なんだったんだろう。
「どうしたの？」
祥「さっきも言おうと思ってんけどさ」
あ、やっぱりさっきのことだ。
祥「Aってもしかして、汐恩のこと好き？」
「…………え？」
いや、え？
「なんで！？」
祥「めっちゃ驚くやん笑 それはまぁ、見てて思ったって言うか…Aの目、ずっと汐恩追いかけてるから」
ニヤニヤしながら言う祥生。
そんな、え、私そんな汐恩くんのこと見てた？
いやだって汐恩くんは、他のみんなとは違って私への対応がちょっと素っ気ないし
まあ優しいところもあるって言うのはだいぶ知れたけど、どちらかというと苦手なタイプで…
でも、常に私の視界にいるような気もしなくはない…
「…そんなわけ！！気のせいじゃない！？」
祥「そう？うーん、俺の見間違いやったかな…」
「うん、きっとそう」
祥「なんか言い聞かせてへん？笑
まあええわ、とりあえずおやすみ」
「お、おやすみ」
本当かな〜？なんて私を疑う目で見た後、祥生は車に戻っていった。
…私が汐恩くんを好きなんて、ある？
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作者名：伊乃 | 作成日時：2021年9月11日 16時
