☆十九 ページ19
☆
「なにしてたの？」
汐「さっき気になるとこあったから、それだけ確認」
「そうなんだ」
汐恩くん、意外と真面目？
「遅くまでお疲れ様」
汐「ん、……なんで戻って来たん？」
「…あ、そうだ！スマホ忘れてたの！」
汐「スマホ…」
それだけ呟くと、また練習室に入る汐恩くん。
もしかして一緒に探してくれるの？
「あの、ありがとう」
汐「どうせ見つかんないと俺も帰れんし」
「…確かに」
さすが汐恩くん、やっぱそういうことか。笑
でも、それでも嬉しい。
…………にしても
「ない………」
汐「ここら辺座っとったやろ、なんでその周辺にないねん」
「本当に…」
なんでこんなにないんだ？
なんだかんだでもう5分は探してる。
みんなのこと待たせてるのに…
＜＜＜バチン！！！
「！？」
汐「うおっ、……ブレーカー落とされたな」
「うそ、、、」
大きい音が鳴ったと思ったら、さらに暗くなった。
まだ私たちいるんですけど…？
汐「はよ探そ」
もう絶対置いてないような場所も見よう。
この部屋にあるには間違いないはずなんだから…
「………あ！！！」
あった！！！
「汐恩くんあった！！」
汐「！」
「あっ」
思い切り振り向くと、すぐ近くに汐恩くんの顔。
私の声を聞いてこっちまで来てたみたい、…
「ごめん、」
汐「いや……」
暗い中でも、あんな整った顔が近くにあるとやっぱり緊張する。
心臓、うるさ………
汐「見つけたくらいではしゃぎすぎやろ」
「う、、だってみんなも待ってるから」
汐「何処にあったん？」
「なんでかわかんないけど椅子の間に…」
汐「まじかよ笑」
本当、なんでこんなところに？
置いた覚えないんだけど…
いや、そんなことはどうでもいい。
「とりあえず早く戻ろう！」
汐「ん」
そう言って廊下に出る。
出たはいいけど…
「暗い………」
思った以上に暗い。
いや、夜で電気もついてないから当たり前なんだけど…
汐「怖いん？」
「…や、別に、大丈夫」
汐「いや、怖いやろ」
「だって…暗すぎるじゃん」
汐「ふーん、意外やな。怖いの苦手なん」
「……しょうがないでしょ」
汐「…はは！そんな絶望な顔すんなや笑
袖、掴んでれば少しは平気やろ？」
汐恩くん…なんか優しくない？
また笑ってくれたし、私に合わせてくれるなんて
「うん、ありがとう…」
なんか、調子狂うな…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 304人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊乃 | 作成日時：2021年9月11日 16時
