☆二 ページ2
☆
祥「いや、帰り道一緒なんおもろいな笑」
「本当、違和感しかない…笑」
帰るか、と言ったものの
2人とも帰り道が一緒なので、しばらく一緒に歩く。
「あ、そうそう、ここ『金木犀』。安くするからさ、今度おいでよ」
祥「行く行く！常連なったるわ」
私のバイトする『金木犀』の前を通り、5分ほど行ったところに私の住む小さなマンションがある。
「じゃあ、私ここだから」
祥「ここなんや！宿舎ここからあと15分くらい行ったところやねん。ほんま近いな」
「じゃあ今度からはもっと頻繁に会えるかもね？一、二年会わなかったのなんて嘘みたいになりそう」
祥「ほんまに笑 じゃあまた連絡するわ」
「うん、じゃあ気をつけてね！」
祥生に別れを告げた次の瞬間
？「祥生？」
暗くてよく見えないが、随分とガタイのいい男性が祥生と私を不思議そうに見つめてそう言った。
祥生の知り合い…？
祥「奨さん！」
私が不思議に思っていると、呼ばれた祥生の表情は一気に明るくなった。
祥生が「奨さん」と呼んだその人は、よく見ると随分と顔の整った人。もしかしたらこの人は…
奨「その子は…？」
「あっ、えっと、はい」
まさか自分に話を振られると思わなくて、自分でも気持ち悪いと思うくらいにテンパって意味わかんない反応をしてしまった。
祥「俺の友達です、昔から仲良くて」
「あ…そうなんです！あの、AAって言います」
テンパった私をカバーするためか、祥生が言葉を挟んでくれたおかげで無事に自己紹介することができた。
すると、少し警戒したような顔をしていた奨さんと呼ばれた人も、表情が柔らかくなり自己紹介をしてくれた。
奨「そうだったんだ！ごめんね、驚かせちゃって…俺は與那城奨です！一応祥生と同じグループで活動してるんだけど…知ってるかな？」
やっぱり！同じグループの方なんだ。
もしかしたらの予想が的中した。
祥「奨さん、Aは今日初めて俺がアイドルやってること知ったから、なんも知らないっす笑」
奨「あ、そうなの！？笑」
「すみません…笑」
奨「いやいや！大丈夫よ！」
こんなことになるなら、もっとちゃんとネットで情報入れておけばよかった…なんて思う。
祥「荷物多いですね、持ちますよ」
祥生がそんなことを言うので見てみたら、どうやら奨さんの手には大量の…コーラ？
コーラ好きなのかな…
奨「お、ありがと！…あ、そうだ！！」
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作者名：伊乃 | 作成日時：2021年9月11日 16時
