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優しい瞳で

私を見つめる


ふわりと微笑んであなたが言うの


愛してるって



でも

そんなのはただの夢で



その証拠に

今私の目に写っているあなたは



愛しいものを見る目じゃなくて

まるで憎い相手を見るような



男の人にこんな顔されたのは初めて



こんなに

背筋が凍りつくような


恐ろしいと思ったのは





「.....オミ?」



私が名前を呼ぶと

オミはさらに鋭い目で私を見る




「こんなに
 
 頭がお花畑とは思ってなかったな」



顔を背け

なんて低い声で呟く






どういうこと....

さっきまであんなに優しい顔だったのに


ふたりきりになった途端こんなに変わる?



なんでそんな顔するのよ





「おい」



「は、はい!」


あまりに低い声に驚く


じっと私を見つめる...

いや


こんなの見つめるなんて言わないわ





「言っとくけど、
 
 俺はあの人に頼まれたから仕方なくお前のボディガードやってるだけで

 好きでやってるわけじゃねぇし

 
 正直お前みたいなの馬鹿の面倒見るなんて死ぬほどめんどくせぇんだよ」



じゃあ断ればいいじゃない


あの人って、お兄様でしょ?



お兄様への対応を見てたら

すぐに分かるわ



お兄様は優しいから

嫌だって言ったら辞めてくれるんじゃない?




「それが、何か?秘密の恋?

 笑わせんな」


笑いたきゃ笑えばいいじゃない

私だって笑いたいわよ



数分前の私に言ってあげたいわよ




「俺はお前と恋愛どころか

 仲良くしようとなんてこれっぽっちも思ってねぇから

 仕事以外ではむやみに話しかけてくんな」




何だろう

胸がムカムカしてくる




悲しいとかじゃなくて

なんかこう.....





「あの人の前だけ優しく接してやるよ

 一応お前の犬だからな」






ふざけないでよ





「.......あ?」




しまった

つい声に出してしまった



でも

もう止まらない

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作者名:綾鷹。 | 作成日時:2019年1月9日 22時

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