帰り道 ページ37
「うーーーん」
七松くんはずっと唸りっぱなしだ。私はといえば、その隣でおにぎりを頬張っている。美味しい。
「当たり前だ！おばちゃんが作ったんだからな！」
「おばちゃんに感謝します」
「おーーい！！小平太ーー！佐伯ーー！」
遠くから聞き慣れた声が聞こえる。この声は潮江くんだ。立花くんの声も聞こえる。
その声に応えるように七松くんにまた米俵みたいに抱えられて、私は潮江くんと立花くんのもとに到着した。
「小平太、お前もっとこう持ち方があるだろ」
「文次郎に言われては、説得力がない」
「仙蔵、お前なあ」
こうして見ると、学校帰りに駄弁っている学生にしか見えない。
それにしては、武器やら爆弾みたいなのとか物騒なものを持ち歩いているとは思うけど。
「佐伯さん、お手をどうぞ」
「仙蔵に任せておけば間違いない……はずだ」
七松くんから下ろされた私は立花くんに抱き抱えられるらしい。遠慮しても「足場が悪い」だの「熊が出たらどうする」と良いように言いくるめられる。こんな人を口が上手いと言うんだ。
「そんなに嫌なら、佐伯は私が運ぼう！」
七松くんに運ばれた時は、生命の危機を感じた。丁重にお断りすると、誰が良いのか論争がまた始まる。
「もしや、文次郎が良い……と言うわけではあるまいな」
「……仙蔵、悪ふざけもそこまでにしろ」
立花くんがそう言うと、潮江くんは顔を真っ赤にして首を振る。当然ながら嫌がってるみたいだ。
これはもしや私１人で歩くルートが開通されるかもしれない。
「潮江くん、協力して下さい」
「佐伯、そんなに俺が良いか……」
大きく頷く。趣味が悪い、どこが良いんだ、と声が聞こえたが、潮江くんが睨みつけるとその声は止む。
立花くんは面白そうだ、と言葉を残すと潮江くんに対して「むっつり」と言って肩を叩く。
「よし、行くぞ」
「はは、……っふふふ」
隣にいる立花くんは笑いを抑えられていない。七松くんはと言えば、幼児のお散歩みたいだと騒いでいる。
結局、私が１人で歩くルートは開通されなかった。そのかわり、潮江くんと手を繋いで歩くことになっている。しかも、潮江くんは直前までずっと恥じらっていたので私は彼の小指だけを握ることとなった。
「……傑作だな」
「仙蔵、そんなに笑ってやるな……」
「それは、っはは、できない相談だな。小平太」
潮江くんは思った以上に純情だったみたいだ。
悪いことをしてしまったと思って、謝ると彼はそっぽを向いてしまった。
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みこち(プロフ) - 小説にも書いてますが、義丸が特に押しキャラです。真面目な話もありますので、お楽しみ頂けたら幸いです。 (2019年9月20日 6時) (
レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 本当に嬉しいご返事感謝します。幾つかありますが、その中に、兵庫水軍を出している奴が二つ程あります。彼らは余り詳しく無いんですが、YouTuberで彼等を見てたらドはまりしてしまって。乱太郎達と一緒に海で戦う姿は特に好きです。 (2019年9月20日 6時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
さえきやなぎ(プロフ) - みこちさん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ございません。処女作であり、まだまだ不出来なこの小説を真剣に読んで下さり、とても有り難いことでもあり嬉しいです^ ^みこちさんも小説をお書きになっていらっしゃるとのことですのでお言葉に甘えてお尋ねします(*^^*) (2019年9月20日 0時) (レス) id: d037e4ab14 (このIDを非表示/違反報告)
さえきやなぎ(プロフ) - みこちさん» みこちさん、コメントありがとうございます！前にもたくさんのご質問ありがとうございました。申し訳ございませんがその話が出てくるのはもう少し先の話になりますので待っていただけると幸いです。更新がとても遅く、ご迷惑をおかけします。 (2019年9月20日 0時) (レス) id: d037e4ab14 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - お久しぶりです。更新楽しみにしています。私も、忍たま小説書いてます。よろしければ、お訪ね下さい。前にお聞きしましたが、学園の皆は、きり丸が夢主を無実だと言っているのはいつの場面ですか？できれば知りたいです。 (2019年8月26日 15時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さえき | 作成日時：2018年7月29日 3時
