サイコウの日々【キミガシネ】

最適考察 ページ21

アタシはこの状況について考えてみることにした。



いざこう…サラが拳銃を構えたとなると、体験したことの無い興奮がアタシを襲うのだが、やはり恐怖が一枚勝ってしまうのだ。



　 恐怖が勝る、怖い、怖い、死にたくない。



やはりアタシも人間だなあ、と思った。



でもこの興奮を味わいたい、という気持ちも負けじと迫ってくる訳であって。




この先もこのようなまだ見ぬ経験できるのか…と考えるとまだまだ生き残りたいのだ。



自分でも思う、何て矛盾していて、我儘なんだ、と。






…そこでこのロシアンルーレットの必勝法を考える事にした。


別にサラに伝える訳では無いのだが、ただの自己満足、勝手にやりたいなのかもしれない。





─この場には椅子が九脚、座っている人間が五人、人形が四体だ。


そしてリボルバーには九つの弾を詰められる。


偽弾が六発、実弾が三発。


詰め方は自由だが、偽弾を二発人形に撃ち込んでしまうと一人が確実に死んでしまう。


実弾を先に全て撃ち込めたら楽なのだが、リボルバーは自動回転しどの弾から発弾されるか分からない。




と、なると一番良い方法は…


偽 実 偽 偽 実 偽 偽 実 偽 …


いや、でもこれだと…運も含まれてしまう。


確実に助かる方法では…無い。


初めに実弾を人形に撃ち込めたら勝ちだが。






駄目だ…今のアタシは冷静に考えられない…



なのにサラは…この状況で一人も犠牲者を出さない方法で切り抜けられるのか。









──拳銃を構えていたサラは、一発目を撃ち込んだ。

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