【バンドやろうぜ!】和風系バンド【男主】 (ページ24)

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四章 3話ページ24

雨「ゼェ…ゼェ…」

皆かなり急いで走ったため肩で息をしていた…

猫「…っんだよあのおっかなそうな奴……!」

荒「………あの人…和希のお母さん…?」

西「…………」

その問いかけに西野は黙りだ

「………ひとまず!お昼時間やしお昼にしよか‼
おっちゃん準備してくるわ!」

そう言って彼は席を外す……
すると西野が口を開いた

西「皆…ごめんなぁ……俺のせいで迷惑かけることになってしもて」

雨「そんなこと…!」

西「お母ちゃんな音楽が大っ嫌いやねん

俺のお父ちゃんドラマーやったんやけど……交通事故で死んでしもてん」

雨・猫・荒「‼」

西「お父ちゃんドラムめっちゃ上手くてな
俺の憧れで目標やねん

けど…お母ちゃんはそうじゃなくて……
音楽が…ドラムがお父ちゃんを奪ってしまったんやって、そう思っとんねん

やから、俺が音楽活動するの大反対やねん」

雨「………」

雨宮は悲しそうな表情を浮かべた

西「でも俺は音楽やりたくて、ドラム叩きたくて……お母ちゃんに隠れてここのライブハウスでドラム叩かせてもらっとってん
それで…動画上げたりして……

そんなときな…大河から『ビギニング・R』に誘われて、チャンスやと思った!
これに優勝したらお母ちゃんに認めてもらえる!優勝を逃してもこれを理由にここから出られるって‼」

荒「和希……」

西「でも…現実そんな甘ないなぁ
結局ここに戻ってきてしもた……お母ちゃんに反対されるの分かってて…

俺な…俺…紅葉辞めたないよ……」

西野の表情は今にも泣き出しそうなものだった
そして…この話を聞いた皆は黙りだった……

その時…雨宮が何か決意をしたような表情へ変わった

雨「………新曲を作りましょう!」

猫「はっ……?お前いきなり何言って……」

雨「今回のフェスの曲…新曲で挑みます!
和希の想い全部曲にしてお母さんに伝えましょう!」

西「大河……」

雨「このままで良いわけがない‼
双方納得して和希はバンド活動続けましょう?」

荒「良いんじゃないかしら!
私は賛成よ」

猫「俺も」

皆口々に賛成だという……

西「…………」

けれど西野の表情はどこか暗かった……
そんな中…紅葉の新曲作りが開始した