灰色の空に隠れた未来【3年A組】 (ページ10)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:17,316 hit

・ページ10

.

「サプライズは上手くいった？」

『はい。坂内さんのおかげです』

Aは借りていた調理器具を返す為に坂内の元にいた

『すみません坂内さん。ハンドミキサーって持ってたりしますか…？』

「？えぇ、持ってるけど…何に使うの？」

『えっと………いや、あの…』

「まさかAちゃんがバレンタインの準備をするなんて…」

バレンタインの“バ”の字も知らなかった頃がつい最近のように感じるわ、と感動の涙を流す坂内からAはそっと目を逸らす

(…つい最近教えてもらったなんて言えない)

『あの、実はまだバレンタインの物を配り終えてなくて』

「あら、そうなの？早く渡しにいってあげないと…」

『そうですね、』

そう言うとAは最後のチョコを取り出した

「えっ、？」

『ハッピーバレンタイン、坂内さん』

(ちょっ、そんなに泣かないでくださいよ、坂内さん…)

(だ、だってAちゃんから貰えるなんて思わなくて…)

(毎年、作りますから…)

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿

後日

「あれ、Aその飴どうしたの？」

『柊先生がほわいとでーには早いけどバレンタインのお返しに、って』

「あんっっっのロリコン教師…ｯ!!!!!!」

「やるじゃん先生…ふふっ」

ホワイトデーのお返し
飴＝「貴方が好きです」