君にみえるもの [６]

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時間がしばらく経ってから “今から行く”と連絡が入り
校舎前で待っていると
彼の運転するワゴンが入って来た｡



ミ｢待ちくたびれましたよ！｣

中｢地獄の様な時間を少しは労え｣

貴｢お疲れ様｡
坂本さんから色々話は聞いたよ(笑)｣

中｢あいつイキイキしてたぞ｣



そんな会話をしながら
ワゴンの荷台から下ろしたのは

【科学捜査用ライト】

血液に含まれるヘモグロビンは電磁波を吸収する｡

その特性を利用して､血のついた部分を黒く映し出し
逆にタンパク質や蛍光物質を含むものは
光って見えるという優れものだ｡


貴｢ねぇ､あれ粉？｣

夕｢顕微鏡で調べて見る｡｣


見つけたのはマットの血痕の中心部分｡
その白い光は マットから立て掛けてある看板の上にも
走るように残っていた｡


その現場を見て思い出した｡
ずっと白井くんが読んでいた本を...

それこそ､白井くんからの4つ目のヒントだったのだ｡



貴｢そうだ､あの本...『ソア橋』だ！
凶器を隠す､トリックの書かれた短編小説！！｣


そして気づいてしまった｡
横山くんの本当の死因を...


⋆ ･⋆ ･⋆ ･⋆

小池くんへの事情聴取により
彼は横山くんの死亡推定日時刻に
万引きをしていたことが判明した｡


書店から漫画数冊を万引きし､捕まったが
駆けつけた母親がら10万円で無かった事にしてほしいと...


子供に罪を認めさせない親も親だ｡



警｢彼らが解放されたのは11時...
彼らに犯行は無理だ｡｣


貴｢えぇ､彼等じゃない｡｣



そして私は1冊の本と手に取った｡




貴｢この本が図書室に置かれていました｡

コナン・ドイル著の
シャーロック・ホームズシリーズの56ある短編集の46番目のお話...

この話の中には
凶器を隠すトリックが描かれています｡
これこそSくんからの4つめのヒントだったんです｡｣

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