君にみえるもの [５]

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貴｢おかえり〜､お疲れ様｡｣

ミ｢ただいま｡今日のご遺体は調査報解剖だよね｣

六｢はい､道端で突然倒れて亡くなったみたいです｡｣



ミ｢Aの所見は？｣

貴｢まぁ､脳を見て見なきゃだけど...窒息かな〜？｣


資料管理をして戻ってきた夕子が
ご遺体の顔を見て小さな叫び声をあげた｡



夕｢紳士的で...細マッチョ...細川さん｣


私達が解剖していたのは
夕子と同じジムの会員だったという｡


⋆ ･⋆ ･⋆ ･⋆




六｢細川隆文さん､33歳｡
昨日の昼休み､昼食の為に外へ出て1人で歩いていた時､突然...｣


貴｢え､同い年かい←｣


改めて六郎くんがご遺体について説明してくれるが
同い年という事に驚く｡


秘密という事にしていたが､結局全て話すことになり
夕子はというと頭を抱えて部屋の隅で小さくなっている｡



夕｢2人とも大学からの友達で同じサークルだった｡
って言ってた...｣

中｢旧知の仲の2人が謎の窒息死か...｣

六｢東海林さん､朝から大変でしたね｣

夕｢もうほっといて｡｣




そのまま細川さんの解剖を進めていると
左手首と両耳の裏に発赤が見つかった｡


ミ｢これイヤーカフの跡かも...権田原さんも付けてた｡｣

夕｢あれは､うちのジムのバイタルセンサー｣






解剖を終わらせたあと､夕子にバイタルセンサーについて説明してもらう｡


夕子の説明によると

毛細血管が多く集まる耳にイヤーカフを付けることで
心拍数､血圧､体温などをリアルタイムで計測し
時計型の端末にデータを飛ばして､
健康管理に役立てているいるらしい｡


ミ｢未来だね〜｣


まだモニター段階ではあるが
熱心な人は日常的に付けているらしい｡


中｢端末残されたバイタルデータを見れば､
2人が死んだ瞬間の体内変化が分かる｡｣

ミ｢死因の手がかりになりますか？｣

貴｢なるかもね｣


死因を究明するために話し合っていると
会議ルームに乾いた音が鳴り､
思わず私は中堂さんの背中へ隠れる｡


神｢皆さん､重要な事忘れてませんか？
...警察へ連絡！｣


そのまま警察へ届ける運びとなり､急遽毛利さんを呼んだ｡

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