君にみえるもの [４]

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中｢考えた事があるか...？


永遠に答えの出ない問を繰り返す人生｡｣



彼の言葉にミコトは瞳は潤んでいた｡

私は彼の手を優しく握ってあげることしか出来ない｡







中｢今結論を出さなければ...

もう二度とこの人物が
どうして死んだのかは知ることは出来ない｡

今調べなければ...調べなければ...


永遠に答えの出ない問に
一生向き合わなきゃならない｡


そういう奴を1人でも救うのが
法医学の仕事なんじゃないのか？｣







そのまま彼は私の手を引いて解剖室を後にした｡


⋆ ･⋆ ･⋆ ･⋆


私と中堂さんは次の日


地元の警察にお願いして､目撃証言があった場所と
果歩さんが発見された場所の海水を摂取する為に
果歩さんが亡くなったと思われる海岸へ向った｡



貴｢海久しぶりだな〜｣



冬の海風は冷たかったが
繋がれた手の温かさのおかげで酷には感じなかった｡




中｢海､苦手じゃなかったか？｣

貴｢まぁ､いい思い出はないけどね〜｣

中｢また夏に来よう｡
その時楽しい思い出たくさん作ればいいだろ｡｣

貴｢そうだね｡｣



そのまま彼の胸にすっぽりと閉じ込められる｡




貴｢ねぇ､系くん...無理だけはしないで｡

私凄く年下だし頼りないかもしれないけど
系くんが1人で辛そうな顔してるのは嫌だよ｡｣





いつも溜め込んできた思いが
口からポロポロと溢れ出して
それと同時に目からも涙が溢れ出す｡








中｢ごめん...だが俺はいつもAを頼りにしてる｡

お前の言葉に､笑顔に､存在にいつも支えられてる｡

だからほら...泣くな｣





下を向いていると無理やり顔を上に向かされ
涙を拭かれる｡



貴｢系くん...好きだよ｡｣



今伝えておかないと彼が消えてしまいそうで
いつもは恥ずかしくて言えない言葉を口にする｡



中｢あぁ｡俺は愛してる｡｣




繋がれた手をもう一度ギュッと強く握り直し帰路に着いた｡



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