君にみえるもの [４]

☆ ページ18

中《どうした？》

その一言だけでも
温かい彼の声に 不安が一気に押し寄せて涙が溢れてくる｡


貴｢系くん！...エレベーターに閉じ込められてっ！
非常用ボタンとか無くて､それで...」



そこまで言うとプツリと電話が切れてしまう｡
どうやら電源が切れてしまったようだ｡


暗闇と閉所に独りという事に加え
助けを呼べないという状況に
焦りと同時に恐怖が膨らんでいく｡


貴｢え､あ...どうしよう｡｣


何も見えない狭い所に閉じ込められた｡
と改めて認識した瞬間､一気に呼吸が乱れる｡



あれ...息ってどう吸うんだっけ



パニック状態の私は
呼吸さえままならず､ただ涙を流す事しか出来なかった｡



上手く呼吸が出来ず意識が失いかけた時､
私の目に光が飛び込んできた。

そこに居たのは､背の高いレスキュー隊員だが
今の私の頭では それを理解出来なかった｡


貴｢いや...こっちこないで！いや！｣


私は泣き叫ぶ事しか出来なかった｡
全部夢なら良いのに...そう思った時に彼は私を抱きしめた｡



中｢A！！｣



彼は違うと分かっていても､男性に触られた｡
という事実だけで､体が勝手に拒絶する｡



中｢俺がいるからもう大丈夫だ｡
怖かったよな､もう大丈夫だからな｡｣



彼は私がどれだけ暴れても､
その腕を離そうとはしなかった｡




彼の背中を叩くリズムによって
だんだんと呼吸も落ち着き､思考も戻ってきた｡



貴｢ごめんなさい｡
また迷惑かけちゃった｡｣


中｢別に迷惑じゃない｡
ほら､寝てろ｡｣



その言葉と同時に頭を撫でられ､
私は意識をそのまま手放した｡



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リクエストありがとうございました！！
楽しんでいたたくけでしょうか？？

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