君にみえるもの

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日本に帰って来てから
ラボで働く準備をまったくしていなかったため
みんなが帰った後に荷物を運びいれた｡

薄暗いラボの部屋に誰かがいるのを見つけ
邪魔にならないように静かに部屋に入って行く。

それは久部くんで何かを真剣に読んでいた｡

貴｢それ？ミコトの...？｣

六｢へ？うわぁ！！｣

貴｢あぁ､ごめんね(笑)｣

すると奥の部屋から中堂さんが出てきた｡

中｢あれ､Aまだ片付け終わって無かったのか...
んで？お前は心中マニアか？｣

貴｢ミコトの論文だからだよ(笑)｣

人間観察も好きな私は久部くんの
ミコトへの気持ちの変化にも気づいていた｡

六｢あ､あの...
娘だけが助かった理由､何だと思います？｣

中｢名探偵の推理は？｣

六｢真犯人は...父親なんですよ｡
母親は娘だけは守ろうと...娘を逃がした｣

貴｢...美談だね｡そんならいい話だったらいいね｡｣

私からの答えが以外だったのか一瞬目を見開き
そのまま悲しそうに目を伏せた｡

貴｢まぁ､明日からも調査頑張ろ？ね？｣

この気まずい空気から逃げたくて
わざと明るく振舞った｡

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