君にみえるもの

☆ ページ26

日が沈み星が輝く海辺には2人きりで
冬の風の冷たさに引き寄せられるように手が絡まる｡

貴｢今日は本当にありがとう｣

中｢俺も楽しかったから｣

立ち止まって海を眺めると
余りの広さと静かな中の波の音に恐怖さえ感じるほどだ｡

それを感じ取ったのか彼は繋がれた手を
ギュッと強く握った

貴｢私ね､あんまり実は海好きじゃないんだ｡
なんか､飲み込まれちゃいそうで｡

きっと飲み込まれたら真っ暗で孤独で...｣


中｢そんなの俺が助けに行く｣


あまりの真っ直ぐな言葉に目を見張るが
心が温かくなった｡


貴｢じゃぁ､系くんが飲み込まれたら私が助けに行くね｣

中｢俺は飲み込まれねぇよ､バカじゃねぇから｣

貴｢そっかそっか(笑)｣

ふいに彼の顔を見上げると
海を見る少し切なげな横顔に急いで目をそらす｡

貴｢大丈夫だよ｡｣

少しでも彼の中にある不安を取り除きたくて
手を強く握る｡

中｢ふっ､生意気(笑)
でも､ありがとな｣

頭をグリグリと撫でられ目を瞑っていると
首にヒヤッとした感覚が

目を開けると昼間に訪れた
オシャレなアクセサリーショップの
オリジナルで作れるネックレスだった｡

貴｢これ...｣

よく見ると2つの花のデザインがあしらわれている｡

中｢やるよ｡大事に持っとけ
...さぁ､寒いから戻るぞ｡｣

そう言って先に歩き出す彼の背中をみて
笑がこぼれる

きっと彼は知っていてこの花を選んだのだろう｡

《カランコエ》と《フジ》の花
花言葉は
《あなたを守る》と《決して離れない》


⋆ ･⋆ ･⋆ ･⋆
リクエストありがとうございました！
花言葉のくだりを入れたら
旅行のシーンが少なくなってしまいました^^;
気に入らなかったらすいません(´｀;)
またリクエストいただけると嬉しいです！

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