君にみえるもの

☆お出かけ☆ ページ24

『おめでとうございまーす』


カランカランと高い鈴の音が小さな商店街に響いた｡

買出しに来ていた商店街では
バレンタインウィークなるものが行われており
買い物をする度に福引きの引き換え券が貰えるというものだ｡

そして私の目の前には黄色の玉が...
1等賞の【海の街ご招待】のペアチケットが当たったのだ｡

⋆ ･⋆ ･⋆ ･⋆

ラボに帰ると今日の仕事を終わらせ
ソファの上で伏せている系くんがいた｡

貴｢ねぇ､商店街の福引で日帰り旅行当たったんだけど
...一緒に行きませんか？｣


すると彼は気だるそうに体を起こし
チケットを見るなり不機嫌になる｡


中｢行かねぇ｡

なんでこんなクソ寒い季節に海に行かなきゃいけないんだ｡｣


...確かにそれもそうだ｡

他の人を誘おうと彼に背を向けて外に向かおうとすると
ソファから手が伸びて来て腰を捕まえられる



中｢どこに行く｣

貴｢え？久部くんとかミコト誘おうと思って...｣


すると後から小さなため息がもれる｡


中｢一緒に行ってやるから､今週末開けとけ｣

貴｢え？いいの？無理しなくても...｣

中｢いいから｡｣


そう彼は呆れたように
私の頭に手を置き部屋を出て行った｡

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