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狭い路地裏
こんな道を進んで何処に向かってるの?
…こわい、この人、何を考えてるのかわからない
「今までずっと我慢してた俺の気にもなれ」
「いや知らんし!」
「こんの…クソ女!!」
強引に投げ出され、私は足をくじいてしまいその場に倒れ込んだ
ヒールが脱げて擦りむいた脚がジンジンと痛み始める
「…外でやるつもり?」
「あぁ。罰ってことでな」
「なんて身勝手な断罪人」
キッと相手を睨み付けて威嚇する
まさかこんな事をする人だったとは。
知り合って仲良くなった時は良い奴だと思ってたのに。
「じゃあ、始めようか」
相手が徐々に近づいてくる
私は目をぎゅっと瞑り、顔を逸らした
___その時だった
ガシャン ドサッ
何かが割れるような音の後に、大きなものが倒れる音がした
え、なに…?
ゆっくりの瞼を開ける
するとそこには、頭から血を流した男の姿。
そしてその後ろに
「れ、い……?」
手には割れた瓶ガラス
一目で零がやったんだと理解した
「どうしてここに…」
そう尋ねるも反応がない。
あ、そうだった。声が届かないんだっけ
私は携帯のメモ帳を開き、零に渡した
素早く打ってきた言葉はこうだった
『ずっと、見てたから』
『Aの事をもっと知りたかった』
『生きていた時に見てあげられなかったAを』
「なにそれ__。
___ばか零」
スーっと頬に涙が伝った
その涙は止まることを知らずにずっと流れ続けて。
零のバカ
そんな子供じみた嫌味しか出てこなかった
『あぁ。俺は大馬鹿者だよ。』
「今更反省しても遅いっての…っ」
『罰せられるのは俺の方だな』
「私なら即刻死刑にする」
『こわいこわい』
苦笑いをする零
愛おしいその表情に、心が締め付けられる。
未だに完全に信じてはいないけど、会話の仕方も表情も、降谷零そのものだ
「ねぇ、零
また会いに来てくれて、ありがとう」
精一杯の笑顔を浮かべてそう言った
すると零は少しだけ頬を赤らめて顔を逸らした
お、これはまさか
「今ときめいた?」
『?』
「いや、ハテナだけ打つなや」
『!』
「ビックリマークだけ!?おい零、君死んで頭おかしくなった!?」
『(´;ω;`)』
「顔文字!?!?零が!?ちょ、やっぱり貴方魔王か何かだな…」
『Aの方が頭おかしい』
「いやなんで」
このイケメン幽霊さんはどうやら頭の方が逝ったらしい
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ちゅんちゅん丸(プロフ) - 和美/美香さん» 佐藤さん幸せになれるといいですなぁ…… (2018年11月2日 21時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - そうですね。やっぱり辛いですね。 (2018年10月22日 16時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんちゅん丸(プロフ) - 茜さん» なんとも嬉しいコメントありがとうございます!!!少しずつ更新頑張りますね! (2018年10月17日 15時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんちゅん丸(プロフ) - 和美/美香さん» 過去と今じゃ全然環境が違いますしね……(´ω` (2018年10月17日 15時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 切ないっ…こんなに心締め付けられる小説は初めてです。夢主ちゃんの気持ちに入り込んでしまって泣きました。とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2018年10月15日 18時) (レス) id: 40d28784a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅんちゅん丸 | 作成日時:2018年7月7日 20時