殉職したはずの彼氏が霊になって家に住み着いてる件について。【降谷零】

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眠そう。
夜更かししたのかな

よく見れば目の下にクマがあるではないか


「イケメンなのに勿体ない」

「……それを言うならAもだろ…」

ん？それってつまりこーゆーこと？

「…私イケメン、ですか…？？」

「……違うから！」


先程まで頭を机に付けていた降谷零がいきなり起き上がった

そして、あーもー、と髪の毛をくしゃ、とかきあげた後、ジト目で私を見つめた


「…これがあるから勿体ないって言ったんだよ」

そう言って私の顔に手を伸ばし、掛けていた眼鏡を強引に取った

うおおおい！！やめろや！私の視力トンボ並みなのに！

昔から悪かったけど、ゲームのやりすぎアニメの見すぎでさらに悪くなった。つまり自業自得なのだが

「降谷くん、眼鏡返してよ！」

「やだ」

いるはずの降谷零の姿はもはやシルエットでしかなく、眼鏡もどちらの手にあるのかわからない

こうなれば実力行使で……！！
と、降谷零に返せー！と立ち上がり机の角を辿って降谷零の目の前に行くと、グイッと思い切り引っ張られ、なんか、抱きしめられた。めっちゃ強く。


「……っ、な、何してっ、」

「うるさい黙って」

「理不尽……!!」


ギューギューと締め付けられ苦しい
やっと力が緩んだと思ったら、後頭部に回されていた降谷零の手が今度は私の腰に移動

降谷零の足にまたがる状態となった私はあまりの恥ずかしさに顔に熱が集中する

……前言撤回。

恥ずかしさだけじゃない

なんだか訳の分からぬ感情のせいだ

頭がぐるぐるして吐きそう


「ふる、や、くん…っ！」

「零って呼んで。」

「……れ、い…、」

「なぁに…？」

「離して、」

「無理」

「えぇ…」


いつになったら離してくれるのだこの男は！

流石にもう、色々しんどいよ！？

もし誰かが教室に入ってきたらどうするのさ！

グググと降谷零の胸当たりを強く押すも、まるで意味なし。

……まったく…。


「…何があったのか知らないけど、話くらい聞けるよ……？」


そう言うと、降谷零は


「……じゃあ、いつまでたっても振り向いてくれない人に、どうすれば気づいてもらえると思う？」


と聞いてきた。

まさかの恋の悩み！！？

……いやぁ、恋愛なんてまるっきりした事がない私に聞かれてもあれだしなぁ……

ここはガンダムの恋愛シーンを思い出してアドバイスする？？


「えと……キスして伝える、とか…かな？」


我ながら酷い回答だと思う

しかし降谷零は鵜呑みにした。

そして実行したのだ。

……今。

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