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ページ3

おかしいでしょ


いや、誰がどう見てもおかしいでしょこの状況


幽霊と同居なんてさ


ただのいわく付き物件じゃんこれ



『A、お湯が溢れる』

「ぬぉっ!?」


慌ててポットを止めて溢れそうになる珈琲を啜る。

うん、味が薄い。


『Aって珈琲飲む人だったか?』

「んー?いや、あんまり好きじゃなかったけど…でも最近は毎日飲んでる」

『なるほど』

「いえあ。…てか、なんで筆談なの?」

『普通に声が届かないからだ』

「へー、幽霊の声って生きてる人の耳に届かないんだ」



いちいちペンを持って書くの大変そうだ

私なら3行書いたら手が痺れるな…

それにしても、生きているものに触れられなくて、生きていないものには触れられるって事は

世にいうポルターガイストなるものも、やはり幽霊の仕業で正解ってことになるのか。



「……寂しいね」



世の中の霊が誰かに気づいて欲しくてポルターガイストを起こしているって言うのなら、怖がられ煙たがられる霊に少し同情してしまう。



『俺はAが気づいてくれたから、寂しくない』

「__ばーか。死んでからそーゆーこと言ったって意味無いんですー」

『…それもそうだな』



零はそう書き残して、どこかへ消えていった。

本庁にでも出掛けたのかな

風見さんの顔でも見に行ったんだろうな





…あー、だめだ

つい癖で零が居なくなると人肌が恋しくなってしまう

だいぶ前から慣れてたはずなのに、零が死んでから余計に酷くなった


ピリリリリ


タイミングよく、遊び相手から電話が掛かってきた

少し間を開けて、通話ボタンを押す


「…もしもしー?」

『Aさぁ、今日は遊ぶ約束してたのに忘れてるだろ』

「あ、ごめんごめん!昨日飲み過ぎて寝坊しちゃってさぁ」

『ったくしょーがねぇな、早く準備して来いよ』

「はーいかしこまりー!」



通話を切って、ぶらんと携帯を持っていた手を下げる


…別に行ってもいいよね?


零だってもう、生きていないんだし


それにもう零の死に、ケリはつけたんだもの。


今更罪悪感なんて抱かなくてもいいんだ。






「ごめん、零」




その言葉は静かに私の体中に響いていった。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:泣ける話
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ちゅんちゅん丸(プロフ) - 和美/美香さん» 佐藤さん幸せになれるといいですなぁ…… (2018年11月2日 21時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - そうですね。やっぱり辛いですね。 (2018年10月22日 16時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんちゅん丸(プロフ) - 茜さん» なんとも嬉しいコメントありがとうございます!!!少しずつ更新頑張りますね! (2018年10月17日 15時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんちゅん丸(プロフ) - 和美/美香さん» 過去と今じゃ全然環境が違いますしね……(´ω` (2018年10月17日 15時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 切ないっ…こんなに心締め付けられる小説は初めてです。夢主ちゃんの気持ちに入り込んでしまって泣きました。とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2018年10月15日 18時) (レス) id: 40d28784a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゅんちゅん丸 | 作成日時:2018年7月7日 20時

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