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「……結構ショックなんだけど」
「ひっ、ごごご、ごめんなさぃっ!!」
かーなり深いため息をつかれ、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいいっぱいになる。
私の視線はなるべく人を捕えないように、足元ばかりに向けていたから、実の所今のクラスメイトの全員の顔と名前が一致しない。
唯一仲の良い子以外はもはやモザイクでも掛かって見えるのだ。
この伸びに伸びきった前髪がフィルターの役割を果たしている。
「その前髪、うっとおしくないの?」
「う、ん。前髪あった方が、安心するから…」
そう言うと、彼は私の前髪をすくって
「…絶対切った方がいいのに」
と呟いたのだ。
「……えっ……?」
「切った方がいいっていったんだよー!」
「やだやだやだ、前髪あった方が安心するもん!」
「はぁ!?なんだそれ!ていうか、三つ編みもダサい!」
「三つ編みが好きなんだからいいでしょ!!」
「おろせー!」
「やだー!!」
ガシッと2つの三つ編みを掴まれ、ゴムを外されそうになった
いやいやいや、たまったもんじゃないよ!
お母さんが毎日丁寧にやってくれた三つ編みをこの人に解かれてたまるかーー!!
怒りの頂点に達した時、私は思い切り彼をドンッと押した
案の定後ろに倒れたので、その隙をついて隣に置いたランドセルをすぐさま背負い、家に向かってダッシュした。
待て!なんて恐ろしい声が聞こえたのでそりゃぁもう全力で走らせて頂きましたよえぇ。
横断歩道の信号が青から赤に変わる瞬間に渡りきり、彼は間に合わず止まらざるを得ない状況に。
それを利用して、私は向こう側にいる彼に向かい、
「さっきは助けてくれてありがとう!学校で会った時は会釈するからねー!」
と、大声を出して言うと
「ふざけんな!!会釈どころか、毎日話しかけてやるからな!!覚悟しとけ!!」
更に追い打ちをかける言葉を投げかけてきたので、血の気の引いた私は何も言わず家に直行。
コミュ障で人見知りな私には、あんなにもズカズカと自分の懐に入ってくる人間に会ったことが無く、耐性もないので
逃げる
この一択しか、選択肢は残されていなかった。
家に帰れば警察の人がいた。
さっきの事故のことを聞かれた後、現場検証をしにあの横断歩道に戻らなきゃいけなくなって、彼はまだいるのではと身構えていたが、
彼は一切姿を見せなかった。
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ちゅんちゅん丸(プロフ) - 和美/美香さん» 佐藤さん幸せになれるといいですなぁ…… (2018年11月2日 21時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - そうですね。やっぱり辛いですね。 (2018年10月22日 16時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんちゅん丸(プロフ) - 茜さん» なんとも嬉しいコメントありがとうございます!!!少しずつ更新頑張りますね! (2018年10月17日 15時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんちゅん丸(プロフ) - 和美/美香さん» 過去と今じゃ全然環境が違いますしね……(´ω` (2018年10月17日 15時) (レス) id: 9003ee59c3 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 切ないっ…こんなに心締め付けられる小説は初めてです。夢主ちゃんの気持ちに入り込んでしまって泣きました。とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2018年10月15日 18時) (レス) id: 40d28784a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅんちゅん丸 | 作成日時:2018年7月7日 20時