4話 ページ6
三日後
卯月邸の門の前には傷だらけの男が一人。
相変わらず生活音すら聞こえない。
かれこれ三時間。男は門に手をかけようとしたが止め、大声を出そうとしたが止め、それを繰り返した
「他人がこの門を開ける理由はねェか｣
男はボソッと呟いた。
最後に門に1度触れ、男はその場を去ろうとした
「どうして、他人なんですか？不死川さん｣
後ろから聞き慣れた声を聞き、男は振り返った
「...胡蝶、｣
蚊の鳴くような声で不死川は胡蝶の名を呼んだ
胡蝶はニコニコと笑顔で不死川に「ねぇ、どうしてです？｣と声をかけた
胡蝶は思い出した！と言う顔をしてポンッと手を叩いた
「...ああ！そう言えば癒未さんが言ってましたね。最近不死川さん達もAさんに酷いことをされた、と｣
それを聞くなり、不死川はその場に硬直した。
唾を飲み込み、必死に息を繋ぎ、
目を見開き、
だらだらと汗を流し、
右手が小刻みに震えている。
胡蝶の知る不死川ではない事は確かだった
胡蝶も一瞬驚いたような顔をしたがすぐに懐に手を入れ竹で作られた水筒を出し、不死川に渡そうと手を伸ばした
「...、い...ら、ねェっての！｣
不死川は震える右手で水筒を払いのけた
隠や他の隊士にも恐れられるほどのあの不死川をここまでにする物は何か。と胡蝶は考えた
しばらく固まっていた胡蝶は口を開いた
「どうして不死川さんはAさんの家に来たんです？｣
その質問に、不死川は即答した
「言う義理、ねェだろ｣
不死川は反対の手で右手を押さえ、ゆっくりと胡蝶に背を向け、歩き出しそうになった
黙って見つめていた胡蝶は不死川が二、三歩歩いた所で声をあげた
「ああそうだ。不死川さんの心を軽くする為に言っておきますね｣
さほど大きくは無かったが不死川は歩みを止めた。
振り返る事は無かったが胡蝶の言葉の続きを待っているのが良く分かる。
「癒未さん、実は私達に一つ、嘘をついてるんです。｣
胡蝶はニコニコと笑顔を浮かべ、不死川の背中へと言葉を続けた
肝心の不死川は少し首を動かし、睨むように胡蝶に視線を向ける
胡蝶は言葉で言ったらどうだ。と思いながらも不死川へ少しずつ近づいた
「あれは...そうですね、癒未さんが私の屋敷へ来たときです｣
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おもち - 面白過ぎる…!! (2021年9月22日 20時) (
レス) @page24 id: fc046bdd74 (このIDを非表示/違反報告)
狼犬 - 更新、頑張ってください！！応援しいます！面白かったです (2021年1月3日 12時) (レス) id: 9d56067a81 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 物語が面白くて更新が待ち遠しく感じます。応援してます！ (2020年5月29日 4時) (レス) id: 448852077c (このIDを非表示/違反報告)
てふ。 - すごく面白いです！更新楽しみにしてます。頑張ってください (2020年5月15日 14時) (レス) id: 3b6a04b6eb (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 癒未が自分の行いを反省して改心してほしいと思います。夢主柱達に謝ってほしいです。悪女側にも事情があるのかなと思うなんて甘い考えかも知れませんが改心してくれたらいいなぁと思います。長文失礼しました。 (2020年5月5日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゅーめい x他1人 | 作成日時：2019年10月14日 9時
