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3話 ページ4

「...癒未をあんだけ殴っておいて、のうのうと生きてるお前を見んのが嫌なんだよ!」







不死川が私に向かって拳を振るった。

彼の拳は私の左頬に当たった






ゴキッと嫌な音が聞こえた





痛い。目の前が一瞬歪む。






流石に防御なしの不死川の拳は痛い。









よろめいて近くの壁にもたれかかり、





私の目はしっかり不死川を捕らえた









『...話はそれだけか?ほら、これで復讐は果たした。お前と、私はもう他人だ』




 


不死川は目を見開き、汗を流した。

漠然と、私の言葉を待つように固まった









.









『帰ってくれ』




不死川にそう言い放つと私は屋敷の奥へ応急手当てをすべく向かった





もう胡蝶の屋敷には行けないだろう。


私は腫れた左頬に手を当てて包帯を探した







________





『帰ってくれ』







アイツの言葉は俺の何処かに引っ掛かった





アイツが奥へ行った後も耳からこびりついて離れない。





軽蔑したような。



何処か優しいような




そんな声がぐるぐると頭を回る







アイツの頬を殴った右手は痺れたように動かない





気づけば身体中から汗が出ている







びゅうっと吹いた風は俺を置いて、屋敷の奥へと入っていった。









ふと、アイツが集めていた破片を入れた巾着袋が目に入った






震える右手でそれを取る





中を見ようと紐に手をかけると奥から『ゴホ、ゴホッ』とアイツが咳き込む声が聞こえた







俺は何かに突き動かされたように屋敷を飛び出した






はあ、はあと息を切らしながら、走った




右手に握った巾着袋から、チャリ、チャリと硝子が擦れる音がする









しばらく走って、疲れて、道の真ん中でしゃがみこんだ。


引っ掛かったアイツの言葉はまだ抜けない




そんな時、誰かが肩を叩いた








「あら実弥さん、どうしましたの?あの人の屋敷の方から走ってきたように見えますけど」




アイツを殴って、一番に報告したかったはずの愛しいはずの癒未。



俺は癒未を見た瞬間、何かが込み上げてきた





「違げェ.....違げェんだよ...俺は...」





「...!?どうしましたの?実弥さん!」





癒未が肩を掴んだとき、右手からあの巾着袋が落ちた。



ガチャン。と鈍い音を聞いた途端、俺はその場から逃げるように走り出した

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おもち - 面白過ぎる…!! (2021年9月22日 20時) (レス) @page24 id: fc046bdd74 (このIDを非表示/違反報告)
狼犬 - 更新、頑張ってください!!応援しいます!面白かったです (2021年1月3日 12時) (レス) id: 9d56067a81 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 物語が面白くて更新が待ち遠しく感じます。応援してます! (2020年5月29日 4時) (レス) id: 448852077c (このIDを非表示/違反報告)
てふ。 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます。頑張ってください (2020年5月15日 14時) (レス) id: 3b6a04b6eb (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 癒未が自分の行いを反省して改心してほしいと思います。夢主柱達に謝ってほしいです。悪女側にも事情があるのかなと思うなんて甘い考えかも知れませんが改心してくれたらいいなぁと思います。長文失礼しました。 (2020年5月5日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅーめい x他1人 | 作成日時:2019年10月14日 9時

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