駄菓子が30と7つ ページ38
高校二年生の日々が着々と過ぎ去り、7月のとある日。
今年は、春頃から暑くて、この西から照りつける太陽も暑くてなんだか痛い。
早く家に帰って、エアコンの冷気を_と思ったけど、エアコンの掃除してないから臭いんだろうなぁ。
あと母さんが電気代とか言って付けさせてくれないだろうし。
「先輩。ね、手繋ぎましょうよ」
「な!? いや、まだ早いし………その、
佐々木、キモいからやめろ」
___熱々でいらっしゃる。
おいおい、地球温暖化の原因を作っていくなよー、と心の中で茶々を入れながら、前のお二人様を見る。
先輩であり僕の友人な高梨くんと、高梨くんと同じ部活な後輩くん佐々木健太。
彼らは所謂ホモカップル。
いや、言い方が悪かったな。
コホン。
彼らは、同性でありながらも互いを愛し合っている仲だ。
ホントにそうなのかは知らないけど、同じ帰り道を通り、あの二人が一緒に帰る姿を見る者としては、そうにしか見えない。
ああいうのを見て嫌悪感が出たりしないのかと訊かれると、興味ないからどうでもいいと答えると思う。
というかむしろ、イチャイチャしてるのを見てるとにやけてくる。
……あ、腐ってるとかそういうんじゃなく、普通にカップル見ると自然とにやけてしまう体質なんです。
ごめんなさい。
あれ、何に謝ってるんだろう?
にしても、高梨くんがああなってしまうなんてなぁ。
友人の新たな部分を見てしまって、複雑な友人の心境だ。
あの高梨くんがころころ表情を変えるなんて早々ないことなのに。
僕もそうなってしまうような、させられてしまうような相手が出来るのか。
些か不安である。
「先輩……」
「!」
あれ、前方の二人がいつの間にかイイ感じに顔近づけ合って___
「わあああ!! 高梨くん、今帰り?」
「か、河井くん…!」
「?」
体が勝手に動いて、二人の間に割って入った。
そんな僕の行動に、高梨くんはなんだかほっとしてるし、佐々木健太は眉を潜めた。
ごめん、二人とも。これより先のことを見たら僕の黒歴史が蘇るんだ…!
ホント割って入ってごめん!
どれもこれも僕の黒歴史のせいだから!
心の中で土下座の勢いで謝り倒しながら、一緒に帰らせてもらった。
凄い気まずかったです。
僕の黒歴史というのは、二年前に滝谷さんから告白されたりキスされたりした事件だ。
あの時のことは、無かったことにしている。
だって、きっとあれは何か気の間違いだ。
そうやって、自分の感情に蓋をして解決させていた。
282人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【BL】「し」かしながら、僕と契約したSランクの守護神が、性格がドSの疫病神だった...
【BL】酒場の店主は落とせない2nd【オリジナル】
もっと見る
「男主」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時