駄菓子が30と5つ ページ36
．
二の腕を掴まれて、引き寄せられ、お兄さんとの距離が近くなった。
ひやりとした風が僕とお兄さんの間を吹き抜ける。
何をする気なんだ。
このあとの行動が予想できなくて、少し怖くなった。
「Aくん。私はね、Aくんのことが好きなんだよ。」
「…っへ？」
な、なななな何だ！？
何言ってるんだ！？
お兄さんからの突然の告白らしきものに、僕の頭は大混乱で、すっとんきょうな声を出してしまった。
脳では、勝手に「好きなんだよ」という言葉がリピートされている。
ぶわっと顔に熱が集まった。
僕を射抜くような視線に耐えきれず、青い空に目線を移した。
わー、いい天気ー
現実逃避をして、少し頭が落ち着いた。
雰囲気的に恋愛の好きだと思ってたけど、相手の僕は男だからそういう好きじゃない気がしてきた。
人生初の告白が男だなんて、笑えない冗談だな。
ハハハっ
「Aくん。嘘でも冗談でもないからね？ 恋愛感情の好きだ。好きだよAくん」
そう言うと、さっきより僕とお兄さんの物理的な距離が縮まった。
…あ。青い空が見えなくなった。
代わりに、お兄さんの左目が見えた。
その目は僕しか見ていなかった。
「…っ！」
返事をしようにも、どう答えたらいいのかわからずに、言葉に詰まった。
ごめん
小さく呟かれた一言を聞いたときには、目の前全てがお兄さんだった。
そして、僕の唇に柔らかい衝撃がきた。
落ち着きを取り戻した筈の頭は一時停止した。
返事待ってるから
そう言って、電話番号とメールアドレスが書かれた紙を渡された。
その場で、お兄さんと別れてばあちゃんちに戻ろうとした。
でも、家へ足が動いたのは数分後だった。
紙を握りしめて、ゆっくり歩く。
お兄さんに連れられた先で、ナニがあったかなんて知られたくなかったから。
無意識に自分の唇を触った。
さっきのことを思い出して顔が熱くなるのを根性で止めた。
僕が店に着いた頃には、外で母さん達が荷物を持って待っていた。
「帰るよー」
母さんに呼び掛けられて、一緒に帰った。
お兄さんに返事をするのを待たせている罪悪感が島に残った。
なんで僕はすぐ断れなかったんだろうか。
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…！(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぃ | 作成日時：2019年2月25日 21時
