駄菓子が20と6つ ページ27
僕らがお風呂から上がって、僕の髪がお兄さんによって拭かれている現場を目撃したばあちゃんから、有難い説教を受けた。
風邪ひいたらいけないから温かくしときなさい。とか言われたけど、夏の暑さで十分温かいからこれ以上温かくしたら干からびる。
これが海に過って入ってしまった罰か…
僕とお兄さんが反省して黙りこくっていると、女神(ばあちゃん)から有難い差し入れもどきを頂いた。
スイカ。
二人で美味しく食べていると、イチがそろそろと近寄ってきたので、三角に切り分けられたスイカのてっぺんを、パキっともぎってイチにあげた。
だがしかし、イチは匂いを嗅いで口に入れようとせず、無視してばあちゃんの所へ行ってしまった。
なんて奴だ。
それを見たお兄さんが、犬にスイカってあげてもいいのかな、と訊いてきたので、知らないと答えた。
「あ、読書感想文書いたよ。」
なんの脈絡もなく僕がそう言うと、お兄さんは、スイカが変なところに入ったのかむせていた。
「ん”ん……さすがAくんだね。宿題を終わらせるのが早い。」
宿題が終わったことを素直にお兄さんは褒めてくれたけど、ばあちゃんちにゲームやらイマドキの子供向けの娯楽がなく、やることがないから宿題をやってたとは絶対言わない。
…冬休みにもばあちゃんちに来たら宿題早く終わるかな…
「いつ見せてくれるんだい？」
「欲しくば探せ! この家のどこかに読書感想文はおいてきた!」
どこかの漫画で聞いた言葉を真似て言ってみたら、一瞬お兄さんに白い目を向けられた。
……恥ずかしい……………
僕が恥ずかしさで顔を覆って、体の熱を冷まそうとしている間に、お兄さんはおもむろに立ち上がって探し始めたと思ったら、すぐ見つけてきた。
「これ？」
「うぇぇぇ…」
なんで見つけやがったと、奇声を洩らした。
お兄さんからドヤ顔が返された。
お兄さんは定位置に座ると、原稿用紙を読み始めた。
この場に座ってスイカを食べるのは、なんだか恥ずかしくて居心地が悪いから、ばあちゃんの下へ行ったイチを追いかけた。
「どこへ行くんだい？」
…追いかけようとした。
お兄さんに感想文を読まれながら、腕を掴まれ、そのまま仕方なく座っていた。
「…なんというか、典型的な…雑だね。」
原稿用紙四枚程の文は、約一分で読まれ、酷評を頂いた…
お兄さん苦笑い。
「知ってた」
自分の文章を書く力がないくらい知ってた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【BL】家政夫を攻略するのは難しい【オリジナル】 【BL】｢し｣かしながら、僕と契約したSランクの守護神が、性格がドSの疫病神だった...
【BL】酒場の店主は落とせない2nd【オリジナル】もっと見る
「男主」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…！(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひぃ | 作成日時：2019年2月25日 21時
