駄菓子が20と5つ ページ26
「なに馬鹿やっとるんじゃぁ！！」
散歩から帰った僕たちを見たばあちゃんに本気で怒られて、首根っこ掴まれてお風呂場に投げ込まれた。
「…」
「…」
「…」
さっきのばあちゃんが恐すぎて、僕たちは固まっていた。
え、今からお兄さんとイチとお風呂入るの…？
まず、イチを洗ってやるところから始めた。
「イチぃぃいい”」
お風呂場で逃げ回るイチを捕まえるだけで体力が削れた…
イチ体洗われるの嫌いなんて知らなかった……
「はぁ……」
「いやあ、疲れたねぇ」
イチを洗い終えて、自分の体に染み付いた海水を洗い流していた。
なんで僕知り合って数日のお兄さんと一緒にお風呂入ってるんだろう
現実逃避がしたくなって、遠くを見つめた。
「…っくしょん」
「大丈夫かい? 早く湯船に浸かった方がいいよ。」
「はい…」
くしゃみをするとぶるりと寒気がして、急いで体を洗った。
隣で同じように体を洗っているだろうお兄さんの様子を盗み見ると、ニコニコ笑ってこちらを見ていた。
「っ!?」
見られていると思っていなかったから、びっくりして体がのけぞる。
「Aくんは、危なっかしいね」
腕を引かれて、転倒を防がれた。
そのまま、お兄さんの腕の中に収まった。
「な、何してんの!?」
慌ててお兄さんの体を押し、距離をとって、ぱちくりと瞬きをするお兄さんを睨んだ。
なにやってんだ、目の前の変態は…!
抱き締める必要はなかったはずだ!
そうされて、少しじっとしてしまっていた自分が憎らしい…
あったかいとか思ってしまった僕も恥ずかしい…!
湯船に浸かっている時も、上がって体を拭いたり、服を着たりしている時も、お兄さんと目を合わせることはなかった。
「髪拭いてあげようか？」
「もう拭いたし。女子じゃないんだから。」
ずっと顔を向けないようにしているのが気に障ったのか、お兄さんは両手で僕の顔を包んで無理矢理、目が合うようにぐりんと動かした。
「拭いてあげようか?」
「…ハイ。」
拒否したらどうなるかわかってんだろうな、という絶対カタギじゃ出来ないマジな目を向けられて頷くことしかできなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【BL】家政夫を攻略するのは難しい【オリジナル】 【BL】｢し｣かしながら、僕と契約したSランクの守護神が、性格がドSの疫病神だった...
【BL】酒場の店主は落とせない2nd【オリジナル】もっと見る
「男主」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…！(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひぃ | 作成日時：2019年2月25日 21時
