駄菓子が20と3つ ページ24
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蝉が盛んに鳴きまくり、夏の暑さが最高潮になる午後。
私の隣に座る少年は、机に伏せて眠っていた。
疲れが溜まっていたのだろうね。
「なっちゃん！ そろそろ船の時間！ 野菜取りに来て」
「はーい」
目の前に座る女性が、幸さんに呼ばれて部屋から慌ただしく出ていった。
そうか。もうそんな時間だったのか。
隣で寝ている少年、Aくんをチラリと横目で見る。
まだ、起きそうな気配はない。すやすやと小さな寝息をたてながら、気持ち良さそうに寝ている。
おもわず、左手が動いてAくんの頭へ乗せてしまった。
汗で少ししっとりしている髪にそっと触れる。
Aくんが起きないことを願いながら、静かに左手を頭を撫でるように動かした。
「ん…」
Aくんが少し声を漏らしながら、頭を動かせた。
「っ!」
起きたのかと驚いて、手を引っ込めてしまった。
しかし、彼が起きる様子はない。
彼の伏せていた顔は、私の方に向いている。
つまり、合法的に寝顔を見ていられるということだな。
私は引っ込めた手を、再びAくんの頭に乗せ、優しく撫でた。
私の口角が意図せずに上がっていくのを感じた。
やはり、可愛い。
可愛いは正義だ。
もうしばらく起きないでもらえると助かる。
ああ。写真にAくんの寝顔を納めればよかった…
携帯を所持していない罰だな。
そういえば、この子は携帯を持っているのだろうか。
最近の子は、よく携帯を持っているからね。
うまくいけば連絡先交換。Aくんが家に帰ってしまっても、連絡が出来る。
「ふへへ…」
Aくんが、笑った。
幸せそうでなによりだ。
でも、こんなに無防備で大丈夫だろうか…
「あらあら。寝ちゃってるの？ なっちゃんもう帰るのに」
「っさ、幸さん」
幸さんが、ひょっこりと顔を覗かせた。
不意打ちのことで、名前を呼ぶのに声が少し裏返ってしまった。
「A、一郎くんにずいぶんなついたねェ」
「え、そうですか…？」
よいしょ、と私の目の前に座った幸さんに、言われたことの実感が湧かない。
「なついてるわよォ。この子、家族以外の前じゃ簡単に寝たがらないもの」
「そうなんですか」
なんだか、私が特別だと言われているようで気恥ずかしさもあるけれど、Aくんが気を許してくれていることがなにより嬉しかった。
「じゃ、帰るね。滝谷さん、Aのことよろしくお願いします。」
Aくんのお母さんが来て、丁寧にお辞儀をして店を出ていってしまった。
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…！(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぃ | 作成日時：2019年2月25日 21時
