駄菓子が20 ページ21
母さんとお兄さんの話を聞いてみると、去年の餅つきでたまたま知り合ったらしい。
やっぱり餅つきに行ったらお兄さんと会うことになったんだな。
餅つきに関しては、お兄さんが手伝いを名乗り出ていたみたいだ。そこで、里帰りの母さんと話が盛り上がって仲良くなったという。
なんてこった。外堀が埋められていく。
「迷惑かけてませんか? ウチの息子はすぐ面倒くさがりますから」
「いえ。Aくんはいい子ですよ。夏休みの宿題もほとんど終わらせたんですよ」
大人の中での社交辞令みたいな会話を交わしている。僕は、この会話が好きじゃない。
だって親に、自分の駄目なところを悪気もなく他人にバラされるんだから!
まあ、お兄さんの言ったことに対して僕はドヤ顔をするけどね。
どうだ、家でダラダラとゲームをしているような怠惰な息子じゃないんだぞ
「へぇ〜凄いじゃん。これなら、心置きなく受験勉強できるわね。」
そして、あのババアは僕に勉強への意欲を喪失させた。
親に勉強しろって言われるの嫌じゃない?
「あらぁ。一郎くん来てたのねェ。なっちゃん、荷物。」
外から、バイクを完全に止め終えたばあちゃんがおばさんに声を掛けた。
ちなみに、『なっちゃん』は母さんのあだ名。さらにちなみに、ばあちゃんは、『さっちゃん』という愛称で呼ばれている。
「はいはい。ありがとね」
母さんが自分の荷物を持って、再び店内に入ってくる。
持っているのは、いつものお出掛け鞄だけだ。
「あれ、荷物少なくない?」
「ああ。今日帰るからね。Aも準備しといてね」
「…今日帰るの知らなかったんだけど。」
「あらごめんなさい?」
悪びれる様子もない母さんに、文句を言う気も起きない。
いきなり今日帰るって言われても…なぁ…
どうしよう、お兄さんにまだ居られるようにするって約束紛いのことをしていたんだった。
どうやって駄々をこねればいいんだ…!?
地面に寝転がって手足をじたばたさせるようなガキっぽいやり方じゃダメだ。かといって、正直にまだ泊まっていたいんだ、と母さんに言うのも恥ずかしい………
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時