駄菓子が10と2つ ページ12
僕が宿題に手をつけてから、しばらく経った。
国語のプリントがあと少し終わりそうだ。あと少しだぞ、頑張れ僕! と心の中で自分を鼓舞しながら、スパートをかける。
「…Aくん…私の出番がないのだけれど…分からないところ、ないの?」
僕が勉強を取り組んでいる様子を見ながら、お兄さんは少し寂しそうに言う。
そんなに頼られたいのかな
「国語は適当に書いとけば当たるし、あとで直せばいいから。
…社会とかは分からないんで、よろしく、お願い、します…」
「! もちろん、何が分からないのかな?」
「ちょっと待って、まだ社会出してないんだって。」
今、国語を終え、急いで社会のプリントを出す。
少し解いて、とある問題に悩まされた。分からないから適当に書いとこうとして、留まる。
そうだ。今目の前には勉強を教えてくれる、頭の良さそうなお兄さんがいるのだった。
そう思って目線をお兄さんに向けていると、あちらは気づいたようで、体を近づけてきた。
「分からないところあった!? どこ? ここ!?」
僕に頼られていることを察したのか、嬉しそうにしている。
構ってちゃんみたいだ、ふとそう思った。
それから、結構な時間が経って、休憩することになった。
「はぁ〜〜…疲れた。こんなに勉強したの初めてかも」
ずっと書くことに使っていた手を、ほぐし、休めた。
「明日にはほとんど終わっていそうだねー偉い!」
そうやって僕を褒めながら、残りの宿題を漁っている。そんな中、お兄さんは手を止め「あ」と短く言葉を溢した。
手元には、原稿用紙があった。
そこで思い出した。読書感想文という夏休みの宿題でトップを争うほどのめんどくさいやつがあることを。(個人の意見)
「これは作文?」
「読書感想文だよ」
「へぇ…なんの本について書くの?」
「…まだ、決めてないけど」
お兄さんにまっすぐ見られて、少したじろいだ。
「…お兄さんのおすすめ、持ってきてあげようか?」
ニコリ、と笑ってお兄さんは願ってもない提案をしてくれた。
「でも、読みきれる自信が…」
「それを踏まえた上で。もし、その本の感想文が書けたら私に見せてくれないかな?」
「えぇ…」
恥ずかしいから嫌だ。そう拒否しようとした。
「私は、Aくんの宿題をみてあげていた。…それにお礼は付き物だ。」
「…お礼が読書感想文?」
「そうだよ。明日持ってくるからね」
「うげ」
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時