10 TH ページ10
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「あのさ、これはめっちゃファンとして話すんだけど。1stアルバムのあの曲さ、寝る時いっつも聴いてるんだよね。あれA作詞したんでしょ?やばいわ」
「ほんとに?嬉しいな…」
結構腹もいっぱいになってきて、ゆっくりサイドメニュー食べながら話してた。
俺にも女子高生と同じでミーハーな部分があったみたいで、さっきから本人目の前にずっとベタ褒め。
「テヒョン…あのさ、俺の事…普通に友達って思って欲しいな」
「えっ…」
あれ?俺なんか間違えた?
「いや、褒められるのが嫌って訳じゃないんだよ?めちゃくちゃ嬉しい…励みになるし、これからも頑張ろうって思える」
「…うん」
「でもさ、俺ってそんな大層なもんじゃないよ。さっきも有名人なんだから個室じゃなきゃって言ってくれたじゃん?
だけどそれは気にしなくていいんだよ…飯も個室じゃなくていいし、どっかファミレスでも全然いい。どこでじゃなくて誰と食べるかが大事なんだよ…?」
あ…俺、ダメだ。Aに悪い事した。
「…テヒョンとは素でいたいし。お願い、俺には気使わないで?
値段が全てって訳じゃないけど。テヒョンとなら100円のパンでも、百貨店のめっちゃ美味しいやつに感じると思うし。
友達って…さ、もっと気軽でいいんだよ?」
俺は分かってなかった。Aに対して少なからず有名人なんだから…俺とは違うって。
初めてだから質問ぐらいするじゃん、でも聞くのに遠慮してた。
親しき中にも礼儀は必要だけど、礼儀と壁を作ることは似てるようで違う。
「ごめん…A」
「う、ううん!俺はさ…本当の意味でテヒョンと友達になりたいんだ。バンドの事もプライベートの事も、全部話せたらいいなって思ってる」
「っ…A、改めて言ってもいい?」
「ん?」
「…友達になろ?」
「…ふふ、いいよ」
こんな小学生みたいな友達なろうって口に出して言うのなんて、クソほど恥ずかしいんだけど。なんかAに言うのは全然嫌じゃなかった。
改めて、本当に友達になりたいと思った。
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作者名:1230 | 作成日時:2020年5月24日 0時